学校で孤独を感じ、家でも安心できなければ、子どもは居場所を失います。「居場所がない」と感じたとき、人は力を発揮できないだけでなく、自分の存在そのものを、自分自身で否定してしまいかねません。まずは「休みたい」という思いを否定せずに受け止め、「苦しいときには休んでも良いこと」を保証する必要があります。

そして、「休むことも選択肢のひとつだよ」「午前中だけ保健室に行くのもいいし、全部休んでもいい」と、子どもが休み方を選べる余地を残してあげてください。「登校か不登校か」の二択で迫ってしまうと、子どもはますます追い詰められてしまいます。

このように、対応の柱は「受け止める」「安心を保証する」「選択を尊重する」の3つです。伝え方は、小学校低学年には短くやさしい言葉で話す、高校生には自己決定をより尊重するなど、年齢に応じて変えていただけると良いと思います。

目標を再登校に置かないで

一方で、「学校に行かせる」という前提でかかわると、その思いを子どもは敏感に察知します。そもそも「行かせる」という考え方自体が、学校に行けない子どもを否定する前提に立っています。

スマホを取り上げるなど強制的な対応は逆効果に(画像:イメージ)
スマホを取り上げるなど強制的な対応は逆効果に(画像:イメージ)

目標を「再登校」に置いた時点で、その子のためのかかわりではなくなってしまうのです。無理に連れて行ったり、「行かないならスマホやゲームを取り上げる」といった強制的な対応は、一時的に効果が出るように見えても、実際には子どもの不安や不信感を強め、子どものこころに大きな傷が生じるなど、長期的には逆効果になることを忘れないでください。

不登校はかつて「登校拒否」と呼ばれ、問題行動と見なされてきた歴史があります。しかし今では、文部科学省も「不登校は問題行動ではなく、心理的・社会的要因が背景にある」と明確に定義しています。つまり、不登校は決して「怠け」や「サボり」ではなく、ストレスや適応困難などの影響が複雑に絡み合った状態なのです。

「自分の育て方が悪かったから」と自分を責める方もいるかもしれません。しかし、育て方だけで不登校になるかどうかが決まるものではありません。むしろ、親が自分を責める姿を見ると、子どもは「迷惑をかけている」と罪悪感を深めてしまうかもしれません。

大切なのは「一緒にゆっくり考えていこう」という姿勢です。自分を責める気持ちは、子どもを大切に思うからこその自然な反応です。その思いを少しずつ「これからどう支えていけるか」に変えていくことが、子どもの安心につながります。