1月9日、皇居・宮殿「松の間」で新年恒例の宮中行事「講書始の儀」が行われました。
天皇皇后両陛下は、長女の愛子さまや秋篠宮ご夫妻など皇族方とともに、学術研究の第一人者3人から講義を受けられました。秋篠宮家の長男・悠仁さまが出席されるのは初めてです。

人文、社会、自然科学の講義

はじめに、嵯峨美術大学の佐々木正子名誉教授が「江戸時代の日本絵画」と題して講義を行いました。

佐々木正子名誉教授:
絵画はその時代、時代の社会のニーズに合わせて、例えば社会の中心に宗教があった時代には様々な仏画が描かれるなど、画題や描写表現は社会変化に対応して発展、展開していきますので、絵画は正に時代を映す鏡でもあります。

嵯峨美術大学 佐々木正子名誉教授
嵯峨美術大学 佐々木正子名誉教授
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江戸時代の日本絵画は、西洋と東洋から流入した技法や表現が、鎖国下の日本で独自の表現へと発展していったと説明しました。

 
 

そして、今も京都御所に残る1800面を超える江戸後期の襖絵が貴重な文化遺産となっていると述べ、「京都御所の作品群が我が国の江戸時代の絵画の有様をタイムカプセルのように後世に伝えていってくれることを願っております」と締めくくりました。

 
 

続いて、日本政治外交史が専門の東京大学・御厨貴名誉教授が政治家や官僚などから話を聞き取り記録する「オーラル・ヒストリー」について講義しました。

御厨貴名誉教授:
オーラル・ヒストリーは、今や政治史学の一つの方法から、その領域も他の学問分野との比較考察が可能になり、また、対象となる人物も広がりを見せるようになりました。

東京大学 御厨貴名誉教授
東京大学 御厨貴名誉教授

最後に、国立天文台の家正則名誉教授が「観測天文学最前線と日本の活躍」と題して講義。
ハワイにある日本の「すばる望遠鏡」の成果について紹介した上で、次世代の大型望遠鏡が活躍すれば生命の存在する惑星の発見につながるかもしれないと指摘しました。

国立天文台 家正則名誉教授
国立天文台 家正則名誉教授

家正則名誉教授:
この広い宇宙の中で、地球にだけ生命が発生し文明が発展したとは、ほとんどの天文学者は考えていません。宇宙にはきっと生命を宿す惑星が数多く存在するはずです。

 
 

およそ1時間にわたり行われた講書始の儀。
両陛下は、時折資料に目を落としながら聴講され、初めて出席した悠仁さまも熱心に耳を傾けられていました。
(「皇室ご一家」1月18日放送)

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