天皇陛下は2月23日、66歳の誕生日を迎えられました。当日は、一般参賀に臨み、三権の長や外交団から祝賀を受けられた陛下。誕生日に先立ち行われた記者会見では、東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目を迎える被災地への思いを語られました。
2万7000人が皇居に
誕生日当日、穏やかな陽気の下、皇居で行われた天皇誕生日を祝う一般参賀。
午前10時20分、陛下は、皇后さまと長女の愛子さま、秋篠宮家の皆さまと一緒に宮殿・長和殿のベランダに立たれました。
陛下は「誕生日に、このように来ていただき、皆さんから祝っていただくことを、誠にありがたく思います。この冬も、多くの地域で大雪や厳しい寒さに見舞われました。雪の事故などで被害に遭われた方々に、心からのお見舞いをお伝えいたします。日ごとに春に向かっているのを感じます。皆さん一人一人にとって、穏やかな春となるよう願っております。皆さんの健康と幸せを祈ります」と述べられました。
この日、3回行われた一般参賀。お祝いの記帳と合わせて1日で約2万7000人が皇居を訪れました。
午後には「宴会の儀」が行われ、皇族方をはじめ、高市首相や閣僚など約130人が出席。陛下は「誕生日にあたり、皆さんと祝宴を共にすることを誠にうれしく思います。この機会に、国民の幸せと国の発展を願い、あわせて皆さんの健康を祈ります」と挨拶し、杯をあげられました。
外交団からも祝賀を受けられた陛下。各国の駐日大使などを代表してエリトリアの大使がお祝いを述べると、陛下は「心から感謝申し上げます」と応えられました。
「被災地に心を寄せていきたい」
誕生日に先立ち記者会見に臨まれた陛下。令和8(2026)年、東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目を迎えることについて次のように述べられました。
「震災が各地に甚大な被害を及ぼしたことは、今思い出しても胸が痛みます」
「被災地では、インフラの面などで復興が進んできた一方で、生業(なりわい)やコミュニティの再建など、まだ課題もあるように感じています。また、親しい方が亡くなられ、生活環境が一変してしまった方々のことを思うと、震災の傷はいまだ癒えていないと感じます。災害による影響は人それぞれに異なり、10年、15年という年月の経過だけでは測れない重みを伴うものだと思います。これからも、雅子と共に、被災地に心を寄せていきたいと思っています」
令和7(2025)年、能登半島地震の被災地を訪問された愛子さまについて「これからも被災地の人々に心を寄せていってもらいたい」と述べられた陛下。
令和8年の春に予定されている東北3県の被災地訪問には、初めて愛子さまを同行されます。
国民の安寧願う歴代天皇に学び
また陛下は、災害や疫病に見舞われたとき、歴代の天皇が般若心経を書写するなどして国民の安寧を願ったことに触れ、実際にその書写をご覧になったとき、「強く心を動かされました」と振り返られました。
「歴代の天皇は、その時代時代にあって、国民の苦しみに寄り添うべく、思いを受け継がれ、その時々に自らができることを成すよう努められたと思います」
「私も、このような歴代の天皇が歩んでこられた道に思いを致しながら、近年の自然災害が激甚化・頻発化する時代にあって、災害が起こらないことを常に願い、国民と苦楽を共にしながら、被災地の方々の声に耳を傾けつつ、国民に寄り添っていきたいと思っています」
ご家族との時間「和やかで楽しいもの」
令和8年、社会人3年目を迎えられる愛子さまについて「職場では、引き続き周囲の方々に温かく御指導いただきながら、少しずつ仕事にも慣れてきたようで、皆さんと協力しながら精一杯仕事に取り組んでいる様子に、社会人として一歩一歩成長していることが感じられ、うれしく思っています。愛子から聞く話は、いわゆる社会で仕事を経験したことのない私にとっては、一つ一つが新鮮で、言わば『未知の旅』のように感じられ、とても興味を覚えます」と話された陛下。
初めての外国公式訪問としてラオスを訪問されたことについて「愛子も、ラオスの歴史や文化に関心を持って準備をし、心を込めて務めを果たしてくれたことをうれしく思っています。帰国後には、ラオスでの様々な経験や出会った方々のことなどを私たちに話してくれました」と述べられました。
陛下は「今後、皇族としての仕事の幅も徐々に広がってくるのではないかと思います。愛子には、引き続き感謝と思いやりの気持ちを持ちながら、これからも多くの経験を重ねて更に成長し、皇室の一員としての務めを大切に果たしていってくれることを願っています」と期待を寄せられました。
陛下はまた、親子3人の関係について「私たちは、お互いへの感謝と家族の絆(きずな)を感じながら、日々を過ごすことができることを幸いに感じています。愛子と3人で過ごす時間は、私たちの生活を和やかで楽しいものにしてくれるだけでなく、愛子が日々の生活で学び、経験する一つ一つのことが、親である私たちにとっても新たな学びへとつながっていると感じます」と述べられました。
悠仁さまへ「今、この時にしかできないことを」
令和7年9月、成年式に臨まれた秋篠宮家の長男・悠仁さまについては次のように話されました。
「小さい時から甥(おい)として成長を見守ってきましたが、近頃は、都内や地方への訪問であったり、外国の方々との交流であったり、皇室の一員としての務めを果たしてくれていることを頼もしく思っています」
「私自身の経験からも、大学時代にした勉学を含む様々な経験は、その後の人生にとっても、とても役立っていると感じます。悠仁親王には、今、この時にしかできないことを大切にしながら、これからも一つ一つの経験を積み重ね、人間的にも、また皇室の一員としても成長していってほしいと、見守っていきたいと思っています」
公務のあり方「時代の風を的確に」
陛下は、皇室の在り方について、活動の基本は「国民の幸せを常に願い、国民と苦楽を共にすることだと思います」とした上で、世の中が様々な面で大きく変化していることに目を向け、
「現在の状況を過去の歴史も踏まえた上で理解し、さらには将来の姿を把握することにも努めながら、時代の風を的確に感じ取り、その時々にふさわしい公務の在り方を考えていくことが大切なのではないかと考えています」と話されました。
これからも、国民に向き合い、寄り添いながら象徴としての歩みを進められる天皇陛下です。(「皇室ご一家」3月1日放送)
