JA新潟中央会は1月6日に新春会見を開き、新潟県内で11の病院を運営するJA県厚生連の経営状況や今後の方針について説明した。伊藤能徳会長は「このままでは各病院の経営が破綻し、医療のみならず地域経済にも打撃を与えてしまう」と危機感を示した上で、収支均衡が見通せない病院については、廃止も検討する考えを示した。
厳しい病院経営続くJA新潟厚生連
人口減少に加えて、国の診療報酬制度による影響で厳しい病院経営を強いられているJA新潟厚生連。
県内で11の病院を運営し、地域の医療を支えているが、2023年度の収支は35億円あまりの赤字に。
その後、役員報酬の削減や病床規模の見直しなどを進めたほか、国の緊急支援で約9億円が支給されることで25年度の収支は改善したものの、経営環境は厳しい状況が続いている。
6日の会見で伊藤能徳会長は「経営改善に取り組み、数字は良くなってきているが、財政支援と特殊要因が大きく、需要ベースでは大きな改善が図れず、依然として厳しい状況が続いている。自立可能な事業体および、持続可能な医療提供体制に向けて、県や所在自治体と厚生連の状況への理解のもとで協議を進めているが難航している」と明かした。
“診療報酬”引き上げも詳細見えず「最悪の場合廃止も検討」
物価高などで経営が苦しくなる病院が増える中、国は医療機関の収入にあたる“診療報酬”について、12年ぶりに引き上げることを決めた。
それでも具体的な詳細は見えてこないことから、伊藤会長は今後の病院経営に危機感を募らせている。
「地域医療の提供に努め、職員の人件費カット、病床数の適正化などの経営改革を講じても、なお赤字を出しながらの継続は困難であり、やはり限界である。このままでは県内JA厚生連病院への影響を危惧しており、各病院の経営が破綻し、医療のみならず地域経済にも打撃を与えてしまう。春に診療報酬改定の詳細が見えてくると思うが、収支均衡が見通せない病院については、縮小や事業譲渡、また最悪の場合、廃止も検討せざるを得ない」
こう話し、最悪の場合は病院の廃止を検討する考えを示した。
経営改善で25年度は乗り越えるも…地域医療の今後は
また、25年度決算については、職員の賞与カットなどの経営改善に取り組んだ結果、計画を上回る予定で、資金の枯渇についても回避できる見通しを示した。
25年度は乗り越えたものの、物価高騰や最低賃金の引き上げなど厳しい状況が続くことから、引き続き、県や関係自治体への支援を求めるため協議を継続する考えだ。
地域の医療を守っていけるのか…地方の病院経営は2026年も険しい道のりが待っている。
