政府は26日、災害対応の司令塔を担う新たな組織、防災庁の設置に向けた基本方針を閣議決定しました。
2026年11月の発足を目指します。
防災庁は、事前防災から復興までを一貫して担う国の新たな組織です。
デジタル庁や復興庁と同様、内閣直下の組織とし、首相を補佐する防災大臣のほか副大臣、政務官、事務次官が置かれ、「防災計画」や「災害事態対処」など4つの部局で運営されます。
それぞれの部局には、実務の中心となる局長級の幹部を配置。
職員の定員は352人とし、前身となる内閣府防災担当から132人の増員です。
また基本方針では日本海溝・千島海溝地震と南海トラフ地震を念頭に、被災想定地域への地方機関を設置する方針も示されました。
「本庁の設置を先行しつつ、地方機関が担うべき機能やその適地についても並行して検討を進める」としています。
2026年度予算案の防災庁関連経費は202億円で、内閣府防災担当の2025年度当初予算(146億円)から、約38%の増額です。
このうち、防災庁の主要事業となるのが新たに設けられた「防災力強化総合交付金」で、自治体が地震をシミュレーションし、救助や避難、医療体制の課題を数値で把握。
その結果に基づいて防災計画などを見直す取り組みを支援します。
防災大臣は他府省庁への勧告権を持ち、各府省庁は尊重義務を負います。
その目的について基本方針は、「府省庁の縦割りによる抜けや漏れ、分断を排除し、各府省庁が個々に実施している事前防災等に係る施策を統一的かつ着実に推進するための強力なリーダーシップを発揮する」と強調しています。
政府は、2026年11月の設置を目指し、2026年1月開会の通常国会に、必要な法案を提出する方針です。