年末の特別企画、熊本市の大西一史市長をTKUライブニュースのスタジオに招き、時間の許す限り、さまざまな質問に答えてもらった。大都市への広がりを見せる『赤ちゃんポスト』や『内密出産』そして、来年に控えた熊本市長選についての、大西市長のいまの考えを聞いた。
『赤ちゃんポスト』や『内密出産』
親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる慈恵病院の赤ちゃんポスト『こうのとりのゆりかご』、そして病院の一部の担当者のみに身元を明かして出産する『内密出産』について。

2025年は3月に東京・賛育会病院が取り組みを開始したほか、大阪・泉佐野市も『自治体』として実施を目指すと表明。東京・大阪の大都市圏へ広がりを見せた年となった。泉佐野市は2026年2月に市長が熊本へ視察に訪れる予定だが、行政職員が、女性の匿名性をどのように保障していくかなど、課題が指摘されているが、泉佐野市にはどんな助言をするのか。

大西一史熊本市長:
熊本市では慈恵病院と連携をとってきた。そういった経過もあり、時間も一定程度かかると思う。我々が持っているノウハウをお伝えして、女性の秘密を守ることが重要。熊本市でも予期せぬ妊娠に悩む人への窓口を設けたが、その取り組みも紹介しながら、大阪での実施ができると、困っている人が近くのところで対応できる。課題は多いが行政としてできることをアドバイスしたい。
行政主導でも匿名性を担保することはできるのか。

大西一史熊本市長:
やり方によってできると思う。ただ、病院との連携は必要。民間との連携をしながらということになる。どこを『行政主導』と言っているかは、確認しないとわからないが、いずれにしても行政も、民間も、周りのサポートがしっかりしていくことが大事。我々も手探りだが泉佐野市の市長がいらっしゃったときには対応したい。
熊本地震から10年 薄れた記憶を思い出す
2026年といえば熊本地震から10年になる。熊本市としてはどのような取り組みを考えているか。

大西一史熊本市長:
10年は本当にあっという間だったような、長かったような気もするが、熊本もまちは復興したと思う。ただ、記憶が薄れていっていて、地震の時の記憶が薄れるので思い出してもらう。そして、備えていただく。青森でも大きな地震があったが、熊本でも阿蘇でも大きな地震があった。今起こるかもしれないことに、備えられるように訓練や啓発イベントも計画しているので参加してほしい。
「時期が来たら私の考えを表明する」
そして2026年は熊本市長選の年だが。

大西一史熊本市長:
私も3期目の最後の年なので3年前に約束したマニュフェストをしっかり達成できるように頑張って、その結果、次どうするかということを判断したい。それは時期が来たら、きちんと私の考えを表明させていただく。
最近、ユーチューブチャンネルを始められたが、何かの布石か。

大西一史熊本市長:
いやいや、そうではなく、「動画などで分かりやすく発信をしたらいいんじゃないか」と前から言われていた。Xをやるぐらいで精一杯だったが、ちょっとやっていこうと、きょうはスタジオに入る前も自撮りで撮ってみたりしている。そのうち皆さんに見ていただければ。テレビに出るのもそうだが、もっと伝えたいと思うことはたくさんある。その意味ではより広くやっていきたい。よかったら、ゲストで出ていただければ。
「選挙に出る」と決めるまでにはステップがあるのか。

大西一史熊本市長:
ステップというか、この3期どうだったのかを振り返らないといけない。1期目は熊本地震、2期目はコロナ禍、3期目は半導体関連産業でまちが大きく変わり、市庁舎の問題だったり、市電の問題だったりいろんなことがあった。そういったことを私が市民の納得を得られるようにやってきたかを、自分の中で見つめながら考えていきたい。「いつか」はまだ決めていないので、今の時点では答えられない。
「公共交通を徹底的にやりたい」
翌日のTKUライブニュースは木村敬知事をスタジオに迎える。木村知事へメッセージ、または一緒に取り組みたいことなどはあるか。

大西一史熊本市長:
木村知事とはとにかく交通問題。公共交通を徹底的にやりたい。公共交通をとにかく2倍にしたいので、乗る環境をよくすることももちろんだが、無料の日などを都市圏に広げていくといい。道路などの整備ももちろん継続してやっていくが、しっかり連携して、運輸連合も含めて県と一緒にやらないといけないので、一緒にやりたい。
(テレビ熊本)
