まもなく能登半島地震から2年。12月に入り、東北で非常に強い地震、16日には福井県内でも震度3の地震がありました。果たして、地震活動が活発化しているのか、県内では何に警戒すべきなのかを専門家に聞きました。
12月15日、福井市とあわら市で震度2(震源:能登沖)、そして翌16日には大野市で震度3(震源:嶺北地方)を観測しました。
この1週間前の12月8日には、青森県東方沖で最大震度6強の地震が発生。
その後1週間にわたり地震が発生する可能性が高まっていることを伝える「後発地震注意情報」が気象庁から初めて発表されました。
能登半島地震は来年1月1日で発生から2年を迎えますが、能登では、いまだ多くの地震が集中的に発生しています。
県内の地震活動は活発化しているのか、地震学が専門の福井高専・岡本拓夫名誉教授 に聞きました。
岡本名誉教授は「能登からは距離があるので、そこまで能登半島地震と大きく関係するものではない」とし「一例が長良川断層だが、地震が起こりやすいゾーンの中で単独で起きたとみている。東北の地震にも大きくは関係ない」と分析します。
このように岡本名誉教授は、12月に発生した能登沖を震源とした地震は能登半島地震に誘発されたものの、嶺北を震源とした地震は能登半島地震、青森県東方沖地震との関連は薄いと見ています。
ただ岡本名誉教授は、今庄などを通る柳ヶ瀬断層北部や敦賀断層など、県内を走る大きな断層に最も警戒しています。
現在は目立った活動がみられないものの「断層がエネルギーをため込んでいる、もしくは地震発生前の静けさにあるのではないか」と警戒しています。
このような断層が動いたときに可能性があるのは、直下型地震です。
「典型的なのが福井地震だが、福井県の真下にある断層が活動した時は緊急地震速報が間に合わない。ドンときたらすぐに横揺れが起こるので、すぐに身をかがめて頭を守る行動をとること。揺れたらぐっと頭を抱えることを身に着けてほしい」と岡本名誉教授は呼びかけます。
地震の中でも、直下型は前触れなく突然発生します。地震大国である日本では、万が一への備えをしておく必要があります。
年末年始の家族が集まる機会に、岡本名誉教授は次の点を特に確認、 考えてほしいとしています。
1.非常食や非常用トイレの準備
(教授は簡易トイレを150セット用意しているそうで、家族が2~3週間は耐えられるよう準備することを勧めています)
2.家族が離れ離れの時に地震が発生した際の集合場所を決めておく
(ハザードマップの確認も)
3.地域での助け合い
(日頃からコミュニケーションを取っておくことが重要)