鹿児島空港で深刻化している駐車場の混雑問題に対応するため、繁忙期や長時間の駐車料金を2026年4月から値上げする方針が固まった。12月18日に開かれた検討会で中間とりまとめが行われ、利用状況に応じた料金体系の見直しが決定された。
利用者抑制を目的とした料金改定
鹿児島空港で開催された駐車場混雑緩和に向けた検討会では、国土交通省、県、鹿児島空港ビルディングの担当者らが一堂に会し、2025年6月から続けられてきた議論の中間とりまとめを実施した。会議は冒頭のみ公開され、その中で駐車場の利用料金を時期や利用時間によって値上げする方針が明らかになった。
値上げの対象となるのは、年末年始や夏休みなどの「多客期」と、日付をまたいで長時間利用する「泊車」だ。この料金改定は、利用者を一定程度抑制することで混雑緩和の効果を狙うものである。具体的な値上げ幅については、この日の会議では明らかにされなかった。
検討会に出席した国土交通省大阪航空局の比嘉直哉空港管理課長は、「効果は料金の幅による。料金を上げれば効果はあるが利用者にとってはマイナスなことなので、バランスとりながら(検討する)。当面、2時間は無料で料金見直しの経過を見ながら検討する」と述べ、利用者への影響も考慮しながら慎重に対応する考えを示した。
駐車場の拡張計画も進行中
検討会ではさらに、駐車場の拡張についても議論された。現在約1600台分ある駐車場容量について、調査結果によると少なくとも700台以上の増設が必要であることが報告された。中期的には駐車場の立体化を進める方向性も確認されたという。
これらの対策が本格的に実施されるのは2026年4月からの予定だが、当面の混雑対策も検討されている。2025年の年末年始は12月26日から混雑が予想されているため、隣接する職員駐車場を一般開放するなどの応急措置で対応する計画だ。
利用者への影響と今後の展開
今回の料金改定は、特に繁忙期の利用や長時間の駐車に影響を及ぼすことになる。空港利用者にとっては新たな負担となる可能性があるが、混雑緩和によって駐車場を探す時間の短縮や空港アクセスの改善といったメリットも期待される。

国土交通省や鹿児島県は、料金改定と併せて駐車場の拡張・整備を進めることで、長期的な混雑解消を目指している。今回の中間とりまとめを受けて、今後さらに具体的な料金体系や駐車場拡張の詳細が検討されることになる。
改定の詳細や今後の展開については、検討会の最終報告を待つ必要があるが、空港利用者は2026年4月からの変更に向けて、事前の情報確認や代替交通手段の検討など、対策を講じておくことが望ましいだろう。
(動画で見る▶「駐車料金が上がる」鹿児島空港、繁忙期&泊車を値上げへ)
