2025年の福岡を総決算!FNNプライムオンラインで今年配信したニュースから、アクセス数の多かった人気記事をシリーズで紹介します。衝撃のニュースから心温まる話題まで読者が注目したトピックスを厳選しました。

今回は、共働き世帯が増える中、仕事に疲れた保護者の負担を軽減しようと、保育園が作る夕食の“お総菜”が人気を集めているという話題です。(2025/10/29配信分を一部加筆・修正、本文中の肩書・年齢等は取材時のまま)

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保育園で手作り総菜 金曜日に販売

福岡・筑紫野市にある『のどか保育園』。乳幼児21人が在籍しているこの園で、子供たちがおいしそうに頬張っているのは大好きな給食。

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この日のメニューは「そぼろ丼」など3品。保育園に所属する管理栄養士が子供たちの成長や発達にあわせた献立を考え、手づくりの給食を提供している。

給食の時間を終えた午後1時すぎ、給食室ではまだ調理が続いていた。「保育園で販売している夕食用のお総菜を作っています」と話すのは園で管理栄養士を務める渡部紘子さん。

ここでは2024年12月から保護者向けに『こどもごはん』と名付けた惣菜を週に1回、金曜日に販売している。

この日の献立は、給食でも人気のごぼうチップスと鶏肉を合わせた『チキンチキンごぼう』(350円/100g 税込み)と国産シラスとわかめが入った野菜たっぷりの甘酢サラダ(200円/70g 税込み)。

仕事と育児で疲労がたまる金曜日に販売することで、保護者の負担を減らす狙いだ。

「『こどもごはん』を使うことに罪悪感は覚えて欲しくなくて、子供との時間や家族の時間が増えれば、“投資”くらいに思ってもらえたらいいのかな。気軽に使ってもらえたら」(渡部さん)。

帰宅から15分で夕食準備完了

夕方のお迎えの時間。子供を迎えに来た保護者が次々に惣菜を購入していく。「助かります!帰ってすぐにご飯食べられるし、ご飯を作る量も減らせるから」と話すのは、毎週注文しているという“常連”の保護者。

別の保護者も「子供が4人いるので作るのもけっこう大変で、考えるのもおっくうな時に利用させてもらっている」と好評だ。

共働きで3歳の玲奈ちゃんを育てる川添愛加さんも『こどもごはん』の常連だ。

「夕方は本当にバタバタです。仕事を終わってすぐ電車乗って、電車降りたらすぐ保育園に迎えに行って。もうくたくたですね。金曜日はできることなら何もしたくない」。午後6時前、玲奈ちゃんと家路を急ぐ川添さんは働く母親の気持ちを吐露する。

自宅に帰るとすぐに晩ご飯の支度に取りかかる。「きょうは保育園で買ったお惣菜2品と、スープだけ追加して、ご飯おしまいです」。帰宅してわずか15分ほどで夕飯の準備が整った。

「いただきます!」普段からあまり野菜を食べないという玲奈ちゃんも夢中で『甘酢サラダ』を口に運ぶ。「おいしい」とニッコリ笑顔の玲奈ちゃん。

「幼児食は売ってないので、市販の総菜は味付けが濃かったり添加物が気になったりするが、保育園の『こどもごはん』は、罪悪感なしで買える」と信頼を寄せている。

普段、料理もするという父親の充博さんも「めちゃくちゃ助かります。毎日販売して欲しいくらい」と『こどもごはん』を絶賛する。

保育園のお総菜を利用することで時間の余裕が生まれ、川添さんは食後にゆっくり子供と遊ぶ時間を取ることができた。

「毎日はバタバタで1人遊びさせているが金曜日だけは特別で、時間が余っている分、子供と一緒に遊べますね」と語る。

保育施設内で保護者の夕食づくりをサポートする動きは、県内の他の幼稚園や保育園にも徐々に広がりをみているが、新たなビジネスとして企業も参入を本格化している。

レトルト食品を無人販売するビジネスを展開している「ハウス食品グループ本社」は2025年度中に現在の4倍の200カ所を目指すとしている。共働き世帯が増える中、子供に栄養バランスの良い食事を手軽に用意したいというニーズは強く、5年以内に全国3000カ所の目標を掲げている。

(テレビ西日本)

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