鹿児島県内のインフルエンザ感染者数が急増している。先週の感染者数は1598人と前週の約2倍に達し、10歳未満の子どもを中心に感染が広がっている。これに伴い、県内各地の教育機関では学級閉鎖などの措置が相次いでいる。

県内の学校で相次ぐ閉鎖措置

県は5日、12月1日から5日までの5日間におけるインフルエンザによる学級閉鎖などの状況を発表した。出水保健所管内の幼稚園1か所では休園措置が取られ、保育園1か所、小学校9校、中学校4校では学年閉鎖が実施されている。

さらに、小学校17校、中学校4校、高校1校、特別支援学校1校で学級閉鎖の措置が取られた。感染拡大防止のため、各教育機関では対策が急がれている。

感染者は11月から急増

県内の定点医療機関でのインフルエンザの感染者数は11月から急増している。4日に発表された11月24日から30日までの感染者数は1598人で、前の週より739人増加した。

年代別にみると、10歳未満が801人と感染者の約半数を占め、次いで10代が399人となっており、子どもを中心に感染が広がっていることがわかる。

インフル感染が2倍に急増、10歳未満が半数に
インフル感染が2倍に急増、10歳未満が半数に
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流行発生警報の基準値に近づく

最新のデータによると、定点医療機関あたりの報告数は28.04と、流行発生警報の基準値となる30.0に近づいている。保健所別にみると、鹿児島市、伊集院、川薩、姶良、名瀬では既に流行発生警報の基準を上回っている状況だ。

流行発生警報の基準を上回っているエリアも…
流行発生警報の基準を上回っているエリアも…

9月から10月にかけては100人から200人程度で推移していたが、11月に入ってからは2倍程度のペースで感染者が急増しており、感染拡大の勢いが強まっている。

医療現場からの声

鹿児島市のたんぽぽ小児科の山元公惠院長は、「いつもよりちょっと早く始まったかな。11月の連休、10月20日前後から増え始めた印象がある」と今年の流行が例年より早いことを指摘している。

同院では先々週は約30人だった感染者が、先週には100人を超えたという。インフルエンザの症状については、「基本的に発熱やせき、鼻水。いきなり高い熱があるけど、最近はちょっと熱が出て、次の日高い熱が出たり、それからお腹が痛いとか吐いたりする症状の子も一部見られる」と説明している。

たんぽぽ小児科  山元公惠院長
たんぽぽ小児科  山元公惠院長

ワクチン接種率の低下を懸念

山元院長はワクチン接種率について、「インフルエンザのワクチンの接種率は低い。9月くらいから流行っていて、『インフルエンザに感染したからもういいや』と思っている人もいると思う」と現状を分析している。

そのうえで、「今年ワクチンを打っていないなら打ってもらった方が良い」と呼びかけ、「手洗い・うがいをすることと疲れをためないようにすること。『かもしれないな』『なんかちょっとおかしいな』と思うときは病院に行って検査をしてもらいたい」と対策を促している。

県も手洗いやワクチン接種など基本的な感染対策を呼びかけており、これからの寒い季節に向けて、一人ひとりが感染予防に取り組むことが重要となっている。

(動画で見る▶子どもの急な腹痛・嘔吐も要注意 例年より早いインフル流行の実態)

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鹿児島テレビ
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