北海道の釧路湿原周辺で進むメガソーラー建設で新たな動きです。

 釧路市北斗地区での工事で調査が不十分だとして北海道から行政指導を受けた「日本エコロジー」が、釧路市内の別の場所でも建設を進めようとしています。

 「釧路市昭和地区の建ち並ぶ家々の目の前で、大阪市の事業者によるメガソーラー建設工事がまもなく始まろうとしています」(沼田海征記者)

 大阪市の「日本エコロジー」が、釧路市内の複数の場所で計画しているメガソーラー建設。そのうちの1つがこちらです。

 湿原の南側周辺に位置し、住宅街にほど近い場所です。

 約2000枚のソーラーパネルを設置する予定ですが、地元の住民からは反対の声が上がっています。

 「着工する木にオジロワシがつがいでとまっていた。(当初の計画では)遮光パネルは置かず、ソーラーパネルとフェンスだけ。反射で火事になったら困る」(町内会関係者)

 釧路湿原に生息する希少生物や、住環境への影響を危惧しているのです。

 対立が深まる中、地元の町内会に対し「日本エコロジー」から1通のメールが届きました。

 その内容は工事に同意し協定を結ぶことによって、町内会に「美化協力金」を支払うというものです。


 総額200万円を町内会名義の銀行口座に振り込むとしています。

 こうした提示に町内会関係者は。

 「金を配ること自体がものを言わせない形になる。『金で釣る』という形だと思う。まったく拒否をする。もらってしまったら『金を渡したから言うこと聞いて』と言われるのが嫌なので」(町内会関係者)

 「美化協力金」という名目で提示された200万円。

 メガソーラー建設問題に詳しい専門家は問題を指摘します。

 「いわゆる、これは迷惑料です。地域に対してメガソーラー事業に賛同を得たいということ。もらってしまったら、やはり反対できない。一つの地区に対して、年間100万円ぐらい支払うのが一般的ではないか」(山梨大学 鈴木猛康名誉教授)

 町内会は提示された協力金の受け取りを拒否していて、今後も着工に強く反対する方針です。

 「町内会としてはできることはもうない。行政や国でやってもらうしかない」(町内会関係者)

 「日本エコロジー」は12月中にも工事を始める予定です。

北海道文化放送
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