長野県上田市の飲食店でノロウイルスによる食中毒が発生しました。弁当や仕出し料理を食べた26人が下痢、腹痛などの症状を訴えたということです。
長野県健康福祉部によりますと、12月1日午前9時ごろ、患者から「仕出し料理を16人で食べたところ、うち4人が胃腸炎の症状を訴え、1人からノロウイルスが検出された」といった旨の連絡が上田保健所にありました。
患者は11月26日から27日にかけて、上田市内の飲食店で調理された弁当と仕出し料理を食べた10歳未満から70代以上の男女26人で、27日午後5時ごろから、下痢、腹痛、発熱などの症状を訴えたということです。
県環境保全研究所が検査を行い、患者と調理従事者の便からノロウイルスが検出されたことなどから、上田保健所は、この飲食店で調理された弁当と仕出し料理を原因とする食中毒と断定しました。
県はこの飲食店の調理部門に対し、12月5日から7日までの3日間の営業停止を命じました。
なお、患者は全員、快方に向かっているということです。
【患者へ提供されたメニュー】
寿司、天ぷら、刺身、唐揚げ、鰆西京焼き、煮物、とりそぼろ、高菜漬け、錦糸卵、おにぎり、そば、ハンバーグ、ローストビーフ、オムレツ、茶碗蒸し、酢の物、酢豚、枝豆、卵焼き など
■ノロウイルスによる食中毒「特徴」
【ノロウイルスによる食中毒とは 】(長野県の資料より)
〈特徴〉
ノロウイルスによる食中毒は、主にノロウイルスに感染したヒトを介してウイルスに汚染された食品や、ノロウイルスが蓄積した二枚貝を「生」や「加熱不足」で食べることによって起こります。
また、このウイルスの感染力は非常に強く、食品を介さなくてもヒトからヒトへ容易に感染します。
■症状
〈症状〉
1~2日の潜伏期間を経た後、下痢、嘔吐、吐き気、発熱などを起こします。かぜとよく似た症状がみられる場合もあります。通常は発症してから1~2日で症状は治まりますが、小さなお子さんやお年寄りは脱水症状を起こす可能性がありますので、おかしいなと思ったら早めに医療機関を受診してください。
■予防方法
〈予防方法〉
・外から帰った時、トイレの後、調理の前、食事の前には、石けんで手を十分に洗いましょう。
・トイレに入る際は、衣服を汚さないように上着を脱ぐか、袖口をまくりましょう。
・加熱して調理する料理は、中心部まで十分に加熱しましょう。
・まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や塩素系漂白剤で殺菌して使いましょう。
・下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状がある時は、調理に従事しないようにしましょう。
・患者の嘔吐物などを処理する時は、マスクを着用し、使い捨ての手袋を使って片付けた後、塩素剤で消毒を行い、汚染が広がらないよう十分に注意しましょう。
・発症者の便には多量のウイルスが含まれますが、症状が治まった後もしばらくの間はウイルスが排出されますので注意しましょう。