この一年、お世話になった人たちなどに感謝の気持ちを込めて贈るお歳暮。贈る人が減っているとも言われるお歳暮だが、もらうとうれしいものである。しかし、2025年はそのお歳暮の定番に異変が起きているという。
「普段買えないものをもらえる」「喜んでいる顔を想像しながら選ぶ」
大分県大分市中心部で、お歳暮について贈るものや欲しいものについて尋ねた。
ーー女性
「なかなか普段買えないものをいただけるからうれしい」
ーー男性
「もらって喜んでいる顔を想像しながら選ぶ。もらったときに久しぶりにお礼の電話をかける場合も多い」
ーー男性
(Qどんなものを渡そうと?)
「ビール!」
(Qやっぱりお歳暮といえばビールみたいなところありますか?)
「ビール、ビールしかないわな」
(Qもらったら?)
「うれしい」
お歳暮の定番に“サイバー攻撃”の影響
お歳暮の定番の1つが「ビール」である。しかし…
大分市のトキハ本店では、例年、お歳暮ギフトとして約45種類のビールセットを販売しているが、2025年は13種類と大きく減っているという。
その原因がアサヒグループホールディングスが9月に受けたサイバー攻撃だ。現在も一部商品の出荷を制限する事態が続いていてお歳暮ギフトは3種類のみとなっている。
この影響で他のビールメーカーも需要の急増に追いつかないとして一部のお歳暮ギフト商品の販売を中止している。
トキハのオンラインサイトのお歳暮ページでも多くの商品が在庫なしの表示に。
トキハでは、取り扱える種類は減っているが販売中のものの在庫は確保しているという。
新たな需要「自分用」
一方で近年、お歳暮商戦に新たな流れが。それが「自分用」のお歳暮だ。
お歳暮コーナーに訪れた客からは「自宅用に醤油を探していた。種類もたくさん見られるのでどういったものがいいか選ぶのも楽しい」というが聞かれた。
調味料や食品などを自宅用に買ったり実家に贈って年末年始に自分も含む家族で楽しむという流れが広がり、新たな需要を生んでいるという。
株式会社トキハの佐藤靖二さんは「洋菓子とか和菓子に関しては結構若い30代、40代の客が自分用で使うケースも見受けられる」と述べている。
お歳暮は今、贈り物としてだけでなく、自分への一年間のご褒美としても選ぶ新たな形に変わりつつある。
これから迎える年末年始、自宅でのひとときを充実させる選択肢として考えるのもいいかもしれない。
(テレビ大分)
