OHK岡山放送<岡山・香川エリア>で放送中の情報番組「なんしょん?」で、岡山市中央卸売市場の市場関係者でつくる「岡山県お魚普及協会」の協力で、瀬戸内などの新鮮な魚介のおいしい食べ方などを紹介する人気コーナー「瀬戸内旬紀行」。

今回も協会理事で原田屋鮮魚店の原田徹美会長とともに、冬の味覚の代表格「真ガキ」の味わい方について紹介する

◆ミネラルも豊富で寒い季節にぴったりの滋養食「カキ」が瀬戸内海で不漁の大ピンチ

カキは高タンパク・低脂質で栄養価が高く、その白い身から「海のミルク」と呼ばれる食材。鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富で、寒い季節にぴったりの滋養食で、岡山県では備前市日生町を中心に「カキオコ」などでも親しまれるほど、比較的手に入りやすい食材である。

ただ、今シーズンはカキの名産地として知られている瀬戸内海では養殖ガキの大量死が相次いでいる。

各地でカキの水揚げ作業が始まったが、成育状況も悪く、不漁とのこと。海水温の上昇や雨が少なかったことが原因とみられていて、岡山県では瀬戸内海沿岸の3つの漁協で「2年もの」が73%から83%が死んでいたという調査結果が出ていて、深刻な状況となっている。

真ガキ
真ガキ
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◆主要産地でも半分近く死んでいる状態…今後の価格高騰など懸念

11月にOHKが取材した備前市日生町では、一見大量に取れているようでも、養殖業者によると半分近くが死んでしまっている状態だった。

消費者にとって、心配なのがカキの価格。

原田会長もカキについては「温暖化の影響でかなり減っている。高くなるだろう」と話していて、今後の状況によっては販売される量が限られるだけでなく、価格の高騰も懸念されている。

カキむきの様子(11月27日 瀬戸内市で撮影)
カキむきの様子(11月27日 瀬戸内市で撮影)

◆海のミルクを塩焼きで…“レンチン”や“バーナーを使ったあぶり焼き”もおすすめ

今シーズンは水揚げの減少が懸念されるカキだが、スタジオには、その日生町で取れたカキを、原田会長が「塩焼き」にしたものを紹介した。

殻付きのカキに薄塩をし、焼くと香ばしさが口の中に広がり、「海のミルク」と呼ばれるだけのクリーミーさが感じられる。

試食したOHK・藤本紅美アナウンサーは「スッキリしていて、うま味がある。磯の香りが強く感じられる」と感想を述べた。

家庭で手軽に楽しむ場合、原田会長によると電子レンジだとラップをして600Wで約3分、殻が開けば食べごろとのこと。また、バーナーで軽く炙ってレモンを絞るだけでもよいという。

焼きガキ
焼きガキ

◆夏が旬の「岩ガキ」との違いは? 冬場も引き続き気を付けたい「食中毒」その対策

夏に旬を迎える「岩ガキ」と比べると、これから旬を迎える「真ガキ」はあっさりとした味わいで豊か。原田会長によると、岩ガキは濃厚でクリーミー。真ガキはすっきりしていて、磯の香りがして非常においしいと違いを話す。

また、食中毒のリスクがあるため、原田会長からは「加熱用を絶対に生で食べないこと」、「85度以上で1~2分火を通すようにしてほしい」というアドバイスがあった。

瀬戸内の冬を代表する食材「カキ」の今後の水揚げが気になるが、瀬戸内を代表する冬の味覚を味わう機会があればぜひ参考にしてほしい。

(岡山放送)

真ガキを食べるときの注意点
真ガキを食べるときの注意点
岡山放送
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