日本を代表する2人の料理人が福岡で腕をふるった。

巨匠に託された新メニューの開発

2026年2月2日の午後、福岡市天神のイベント会場に集まった服部誠太郎・福岡県知事をはじめとした飲食店関係者たち。そのお目当ては、調理場に立つ2人の巨匠だ。

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ひとりは日本人の料理人で唯一、フランスの国家勲章『レジオン・ドヌール』を持つフランス料理の巨匠、三國清三さん(71)。

「お刺身は生で出すと日本料理との境がない。だからフランス料理は必ず火を通すという原則がある」と熱く語る。

そして、もうひとりは、美食と芸術を極めた北大路魯山人の系譜を継ぐ『恵比寿笹岡』店主の笹岡隆次さん(63)。

「分かりやすく、皆さんに、きょう食べてもらうものを見てもらえたらなと思う」と控えめに語るが、その手を休めることはない。

今回のプロジェクトの背景にあるのが『ガストロノミーツーリズム』という新しい旅行ジャンルだ。地域の伝統や歴史に触れながら美食を楽しむ美食観光のことで、地方の美食と体験を世界の富裕層が追い求めているのだという。

この日、開催されたのは福岡県主催の『ガストロノミーセミナー』。福岡県の食材を使ったメニューで観光客を呼び込もうと日本を代表する料理界の巨匠、2人に新メニューの開発を依頼したのだ。

玄界の海の幸で飲食業界の発展を

既に2人は、2025年11月に福岡を訪れ、宗像の『鐘崎天然とらふく』や『博多和牛』などの県産食材を視察。そして今回、それらの食材を使った新メニューをお披露目した。

『鐘崎天然とらふく』を試食する2人(宗像市・2025年11月)
『鐘崎天然とらふく』を試食する2人(宗像市・2025年11月)

鐘崎のとらふくを『カルパッチョ』に仕立てた、三國シェフの一品。酒粕から作られる赤酢のソースの酸味が、肉厚なとらふくの旨味を引き立てる。

口にした男性は「淡泊なんですけど、うまいこと旨みを出していて歯ごたえも残している。そこがすごく上手なんでしょうね」と舌鼓を打つ。

一方、笹岡シェフは糸島市で獲れた『特鮮本鰆』の塩蒸しだ。柔らかく蒸し上がった白身に福岡の地酒の餡が絡み、まろやかな味わいを演出する。

「すごくふっくらしていて、一口、食べただけですごく幸せな気持ちになりました。これだけシンプルな味付けなのに、お魚自体も旨みがあってすごくおいしい」と口に運んだ女性は微笑んだ。

このほかにも、熱湯に通した超レアな『博多和牛』の霜降りに濃厚な八女茶のペーストをかけた料理や福岡有明のりを練り込んだバターのパテ。また『塩うに』が掛かっている『鐘崎のふくの香り揚げ』など、どれも堪らない逸品が提供された。

福岡県の服部知事は「素晴らしい食体験を通じて、その魅力を五感で感じて頂きたい」と参加者に語り掛けた。

トップシェフ渾身の新メニューに刺激を受けた福岡の飲食店関係者たち。県の担当者は「巨匠のアイデアも参考に福岡の飲食業界発展につなげてほしい」としている。

(テレビ西日本)

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