今週末12月7日(日)、中京競馬場ダート1800mを舞台に行われるのは、「砂の王者決定戦」チャンピオンズカップ・GⅠ。

王者として君臨していたのは、レモンポップ。2024年、ラストランとしてこのレースに臨み連覇を達成。

国内GⅠ6戦全勝(交流GⅠ含む)という史上類をみない圧倒的成績を残し、惜しまれながら現役を引退した。

チャンピオンズカップで有終の美を飾ったレモンポップ
チャンピオンズカップで有終の美を飾ったレモンポップ
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ぽっかりと空いた「砂の王者」の座、そこに果たしてどの馬がつくのか――。

日本のダート界はまさに群雄割拠、2025年の出走馬を見ても熾烈な戦いが繰り広げられると予想される。

“今年こそ王者へ” ウィルソンテソーロ

3年連続のチャンピオンズC参戦となるウィルソンテソーロ(牡6)。

2024年 チャンピオンズカップで2着のウィルソンテソーロ
2024年 チャンピオンズカップで2着のウィルソンテソーロ

2023年、12番人気の低評価を覆し2着と大健闘。それから1年間、国内外のダート重賞で着実に力をつけ、リベンジを狙った2024年は2番人気に支持された。

王者レモンポップを強襲したが、ハナ差及ばず、再び栄冠を逃した。

最終追い切りを行うウィルソンテソーロ
最終追い切りを行うウィルソンテソーロ

3度目の正直となる今年は、最大のライバルが不在。ついに悲願を叶えることができるか。

“世界一のジョッキーと頂き狙う” ダブルハートボンド(牝4)

世界のダート戦線に目を向ければ、日本のフォーエバーヤングが2月に世界最高賞金額を誇るサウジカップ・G1を制覇。

2月 サウジカップを制したフォーエバーヤング
2月 サウジカップを制したフォーエバーヤング

さらに、11月のダート世界一決定戦ブリーダーズカップクラシック・米G1で日本調教馬初となる歴史的勝利を飾った。

そんなフォーエバーヤングの主戦を務める日本競馬の若き至宝・坂井瑠星騎手(28)が、ダブルハートボンドでチャンピオンズCに参戦。

11月 みやこSで重賞初制覇のダブルハートボンド
11月 みやこSで重賞初制覇のダブルハートボンド

ダブルハートボンドとはデビューから全てでコンビを組み、無傷5連勝でOPクラスを制した。

前々走ブリーダーズゴールドカップ・交流GⅢで連勝は止まったものの、前走みやこS・GⅢで重賞初制覇、レース史上初の牝馬による勝利だった。

また、驚くべきは「1分47秒5」というタイム。
2019年にスマハマ(名鉄杯)が記録したダート1800mのJRAレコードを0秒1塗り替えてみせた。

ダート界に現れた“怪物牝馬”が次に狙うのは、レース史上2頭目となる牝馬制覇。
世界の頂を知る心強い鞍上が、日本ダート界の頂点へエスコートする。

共同会見を行う坂井瑠星騎手
共同会見を行う坂井瑠星騎手

――レコードで走った反動は?
坂井瑠星騎手:

最終追い切りには初めて乗ったので、以前との比較は分からないんですけど、終いの反応がもう少しというところ。もしかしたら反動もあるのかなというのは、矢作先生と話しました。

最終追い切りを行うダブルハートボンド
最終追い切りを行うダブルハートボンド

――牝馬制覇への意気込みは?
坂井瑠星騎手:

どうしても牡馬とは力の差はあると思うんですけど、それでも重賞を勝ってくれましたし、このGⅠに臨むにふさわしい馬だと思います。チャレンジャーにはなりますけど楽しみは持っています。

“ダート界の新星候補たち” ナルカミ(牡3)&ルクソールカフェ(牡3)

10月に行われた3歳ダート3冠最終戦ジャパンダートクラシック・交流G1。

ジャパンダートクラシックを制したナルカミ
ジャパンダートクラシックを制したナルカミ

衝撃的な逃走劇で、圧倒的な力で2冠を達成していたナチュラルライズに3馬身差をつけ、最後の1冠を掴み取ったナルカミ。

6戦5勝と驚異的な戦績を誇るナルカミだが、唯一の敗戦となったのは、奇しくもチャンピオンズCと同舞台の中京ダート1800m。

苦い経験を克服し、3歳ダート界だけでなく、日本ダート界の勢力図を塗り替えられるか。

最終追い切りを行うナルカミ
最終追い切りを行うナルカミ

また、ナルカミを管理する田中博康調教師は、レモンポップも管理しており、今回勝利となれば、4例目となる史上3人目の同一JRA・GⅠ3連覇となる(グレード制導入の1984年以降)。

もう1頭は、ジャパンダートクラシックでナルカミの3着に入ったルクソールカフェ。

武蔵野Sを制したルクソールカフェ
武蔵野Sを制したルクソールカフェ

GⅠ馬が3頭揃った前走の武蔵野S・GⅢでは、2025年のフェブラリーS・GⅠ覇者コスタノヴァに3馬身半差の完勝。10年ぶりの3歳馬制覇を成し遂げた。

今回コンビを組むのは、今週から短期免許で初来日のフローレン・ジェルー騎手。
アメリカを拠点に活躍し、2017年にはブリーダーズカップクラシックも制している。
ダートの本場で磨いたその手腕を、日本の頂上決戦でも魅せるか。

注目の枠順は、以下の通り。
ウィルソンテソーロは4枠8番、ダブルハートボンドは1枠2番、そしてナルカミは5枠11番となった。

第26回 チャンピオンズカップ(GI
中京競馬場・ダート1800m

1枠1番 ウィリアムバローズ(牡7・岩田 望来)
1枠2番 ダブルハートボンド(牝4・坂井 瑠星)
2枠3番 メイショウハリオ(牡8・武 豊)
2枠4番 セラフィックコール(牡4・西村 淳也)
3枠5番 ヘリオス(せん9・原 優介)
3枠6番 ハギノアレグリアス(牡8・岩田 康誠)
4枠7番 ラムジェット(牡4・三浦 皇成)
4枠8番 ウィルソンテソーロ(牡6・川田 将雅)
5枠9番 アウトレンジ(牡5・松山 弘平)
5枠10番 テンカジョウ(牝4・国分 優作)
6枠11番 シックスペンス(牡4・C.ルメール)
6枠12番 ナルカミ(牡3・戸崎 圭太)
7枠13番 サンライズジパング(牡4・池添 謙一)
7枠14番 ペプチドナイル(牡7・藤岡 佑介)
8枠15番 ペリエール(牡5・佐々木 大輔)
8枠16番 ルクソールカフェ(牡3・F.ジェル―)

チャンピオンズカップは、午後3時40分に発走する。 

みんなのKEIBA チャンピオンズカップ・GⅠ
12月7日(日)午後3時から生放送
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html 

みんなのKEIBA
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フジテレビスポーツ局が制作する競馬情報番組。毎週・日曜日午後3時より放送中。番組MC:DAIGO/佐野瑞樹/竹俣紅 解説者:井崎脩五郎/細江純子 ※放送時間は変更される場合があります