音楽に合わせて巨大な筆が舞う。秋田・大仙市の大曲高校書道部が、12月に静岡市で開かれる書道パフォーマンスの全国大会に挑む。十二支をテーマに与えられた『子(ね)』を表現するため、悩みながらも新たな作品づくりに励んでいる9人の部員。感謝と決意を込めた一筆で、全国の舞台に笑顔を咲かせることを誓う。
ダンスと筆が織りなす芸術
音楽に合わせて筆を走らせ、大きな紙に文字や絵を描く「書道パフォーマンス」。書体や筆運びの美しさだけでなく、演出の独創性や踊りの表現力も評価される総合芸術だ。
秋田・大仙市の大曲高校書道部は、この舞台に挑み続けている。2014年から毎年全国大会に出場し、競書大会と並んでパフォーマンスに力を注いできた。
現在の部員は2年生5人、1年生4人の計9人。
2025年は最初の大会で予選落ちを経験したが、9月の『静岡書道パフォーマンスアワード』では全国トップで予選を突破。12月21日の本戦に臨む。
十二支テーマ『子』を描く
部長の田口椿さんは予選を振り返り、「うれしい気持ちが一番だったが、映像審査に提出したビデオは納得いくものではなかった。修正して優勝を目指したい」と語る。
一方、パフォーマンス部長の佐藤美玖さんは、与えられた本戦のテーマに悩んだ。
2025年大会のテーマは「十二支」。出場する12校に異なる干支が割り当てられ、大曲高校は『子(ね)』を担当する。ねずみは俊敏さや繁栄の象徴とされている。
「予選のテーマにした寅(とら)より考えづらく、参考資料も少ない。方向性を決めるまでに時間がかかった」と佐藤さんは話す。
部員たちは約2週間の試行錯誤を経て方向性を定め、定期テスト明けから動きの練習を開始した。
全国の舞台へ “感謝”を込めて
「自分たちが練習してきたことを全部出し切り、最後に最高の笑顔で終わりたい」――田口部長の言葉には、仲間と積み重ねてきた時間への感謝と決意が込められている。
大曲高校書道部は、十二支の『子』に新たな命を吹き込み、全国の舞台で笑顔を咲かせるべく大きな筆を走らせる。
(秋田テレビ)
