コメの価格高騰を理由に大麦を混ぜたご飯に変更されていた福岡・北九州を代表する駅弁が、再び変更された。
100年の味 東筑軒の『かしわめし』
北九州市を代表する名物駅弁、東筑軒の『かしわめし』。

甘く煮た鶏そぼろに錦糸卵と刻みノリ。そこに、鶏ガラスープで炊き上げたうま味たっぷりのご飯が絡む。

「昔から食べていますよ。小さい頃から」と話す男性客。1921年の創業以来の商品『かしわめし』は、100年以上もの間、地元民をはじめ多くの旅行客などに愛されてきた味だ。しかし、原料である国産うるち米の仕入れ値が、約2倍に跳ね上がったことを受け、2025年3月からご飯に大麦をブレンドしていたのだ。

あれから9か月…。東筑軒は『かしわめし』について新たな決断をした。それは…。
米の価格高騰が続くなかでの大きな決断
「12月1日から、うるち米100%に変更させて頂きました」と話す『東筑軒』社長の山内裕太さん。大麦のブレンドを廃止し、従来のご飯に戻したのだ。

「私が11月より社長に就任させて頂いて、お客さまの声を聞いて、元の『かしわめし』に戻して欲しいという声を非常に多く頂きましたので、原点に立ち返って、次なる100年を守りたいと思った」(東筑軒 山内裕太社長)。

米の価格高騰が続くなかでの大きな決断。東筑軒は、10月1日に「かしわめしを存続させるため」として『大迫ホールディングス』(福岡市博多区)に事業を譲渡した。

気になるのはその値段だが、山内社長は「価格は据え置きます」(大970円 小860円)ときっぱり。仕入れ先と交渉を重ね、価格や量も変えずに提供するという。

訪れた買い物客も「元に戻るんですね、よかったです。嬉しいですね。きょう家族と食べます」(女性客)と早速、『かしわめし』を買い求めていた。

山内社長は「創業の味に立ち返り、おいしい『かしわめし』を改めて味わってほしい」と話していた。
(テレビ西日本)
