悲願のJ1昇格を達成したⅤ・ファーレン長崎は、シャンパンファイトで喜びを爆発させた。長期離脱中の名倉選手もともに喜びを分かち合った。長崎ではお祝いムード。「大赤字!」と笑いながらソウルフードで祝福するちゃんぽん店も。
1000本のシャンパンで喜び爆発!
29日、アウェー徳島での試合後、選手たちは大阪市内のホテルへ移動した。
夜に行われた昇格祝賀会では1000本のシャンパンが用意され、選手、スタッフ約60人が参加した。
山口蛍主将は「俺はJ2優勝したかった、だからめっちゃ悔しい。でも最低限J1昇格できたので、2026年はJ1で長崎旋風起こしましょう!」と話した。
その後はシャンパンを全身で浴びて、喜びを爆発させた選手たち。
中村慶太選手は「あんまり今年出場できなかったけど、J1昇格できたので関係ない!今日は飲む!」と話した。
米田隼也選手は「よっしゃー!去年の悔しさがなくなった。長崎に残ってよかった。ファン、サポーターの愛をずっと感じていた。その愛を返したいと思っていたので今日本当にうれしい」と喜びを爆発させた。
高木琢也監督は「こうやって仲間が喜べる瞬間を一緒に共有できるのがすごくうれしい。長崎にあるクラブチームだし、長崎の県民の皆さんに新たなフットボールを、楽しみを見せられる。そして楽しんでもらえる機会を作れたと思う」と語った。
名倉選手「みんなに感謝したい」
会場には、病気治療のため長期離脱中の名倉巧選手の姿もあった。
「最高だ!長崎に来てから6年くらい。この時のために頑張ってきたので、みんなが頑張ってくれてよかった。みんなに感謝したい」と話した。
名倉選手が治療のためチームを離脱した夏以降、選手たちは「ONE FOR NAGU」を合言葉に戦ってきた。
「特に今年は色々あって個人的にも苦しい1年だったが、皆さんに本当に支えられてチームも昇格出来て本当に感謝しかない。次長崎に戻ってくるときにはピースタで戦っている姿を見せられるように頑張るので、これからもV・ファーレン長崎をよろしくお願いします!」と、名倉選手は力強く語った。
チームは来シーズン、J1の舞台でさらなるTEPPENを目指す。山口蛍選手は「J1のチームにも見劣りしないすばらしいスタジアムがある。天皇杯を制した今の町田みたいにビッグなクラブになれる要素はたくさん持っていると思うので、自分たちもそういうチームになっていきたい」と意気込みを語った。
54万円の赤字!ちゃんぽん無料提供で祝福
「オール長崎」で戦い、長崎県内各地でもJ1昇格を祝う声にあふれている。
大村市の中華料理店「協和飯店」では、通常1090円のちゃんぽんを30日から2日までの3日間、1日160杯無料で提供。初日は開店前から長い列ができ、午前の部は約40分で完売した。
「大赤字だ。総額54万円だった」と、浅野慎太郎代表は笑いながら話す。
「県民にとって活躍が明るいニュースだったので、少しでも後押しと一緒に祝福したい気持ちと勢いだった。色んなおいしいお店あるから食べ歩きして、長崎のちゃんぽんを堪能してもらえたらめちゃくちゃ嬉しい」と話す。
長崎大学経済学部の山口純哉准教授は「チーム知名度が上がるし、観客動員も増える。外から来た人が長崎スタジアムシティの周りを回遊してくれる。今までになかった人々の行動や消費行動、経済効果があるのは間違いない」と経済効果を説明する。
効果をさらに高めるには、観光客の属性や回遊ルートなど地域全体を俯瞰した分析が必要とした上で、今後はV・ファーレンだけに頼らず、市民も主役となって長崎の町を盛り上げる雰囲気を作ってほしいと話す。
8年ぶりのJ1昇格は、県内経済を盛り上げる希望のひとつとしても注目されている。来シーズンのJ1の舞台で、V・ファーレン長崎の新たな挑戦を長崎県民は再び「オール長崎」で応援する。
(テレビ長崎)
