相撲が盛んな鹿児島・奄美大島から、新たな関取が誕生した。奄美市出身の福崎改め藤天晴(ふじてんせい)。2025年3月の春場所、幕下付け出しで初土俵を踏み、わずか1年での快挙達成だ。その藤天晴が、十両昇進の報告のため、入門後初めて故郷・奄美市に帰ってきた。

「祝 藤天晴関」の懸垂幕が歓迎 

2026年初場所終了直後の1月30日。「祝十両昇進 藤天晴関」という懸垂幕に迎えられ新十両・藤天晴が奄美市役所に姿を見せた。入門からもうすぐ1年。髪はだいぶ伸びたが、まだちょんまげを結うには足りず、関取の象徴、大銀杏にも追いついていない。

入門1年で十両昇進した奄美出身・藤天晴
入門1年で十両昇進した奄美出身・藤天晴
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鹿児島・樟南高校3年の時に全日本相撲選手権大会でベスト8に入り、高卒としては初めて、幕下付け出しで2025年春場所、本名の「福崎」でデビューした藤天晴。身長172センチと力士としては小柄だが、138キロの体重を生かし、押し相撲を得意とする。特に下半身の粘り強さは天下一品だ。

9月の秋場所を除いて勝ち越しを重ね、2026年1月の初場所は自己最高位の西幕下3枚目で5勝2敗の好成績を収めた。千秋楽には初めて十両の土俵に上がり、強烈な押し相撲で幕内経験のある荒篤山に勝利した。そして1月28日に行われた春場所の番付編成会議で、念願の十両昇進が決まった。

市長自ら出迎え十両昇進を祝福 

安田壮平市長自らの案内で応接室に通された藤天晴。市長から「奄美の皆さんに元気を与えていただきました。粘り強い相撲ですね」と祝福され、照れながらも笑顔をみせた。

そして、師匠の藤島親方(元大関・武双山)について「相撲のことはもちろん人生においてすべてのことを教えていただき人としても成長できていると思う」と、良き指導者と出会いこの1年の成長を実感していることを感じさせた。

笑顔を見せる藤天晴
笑顔を見せる藤天晴

その上で藤天晴は「正直、自分で思っている以上に早く出世できたが、体的にもまだ出来上がってないですし、もっともっと稽古しないとこれからは厳しい戦いになると感じている」と、春場所に向けて気を引き締めた。

恩師も喜び 教育長は相撲甚句で祝福!

市役所には幼稚園から中学まで藤天晴を指導した住用相撲クラブ・森田次郎代表も同席した。教え子の十両昇進について「率直にうれしいというのが一番。こんなに早く十両になれるとは思っていなかったので、これからもみんなに応援されるよう頑張ってほしい」とエールを送った。

そんな藤天晴を得意の相撲甚句で祝福したのが奄美市の向美芳教育長。「錦を~飾りて~母待つ~故郷(くに~)へ~」とよく通る声で歌い上げ、同席者が「ハァーどすこい、どすこい!」と声をそろえた。

相撲甚句で祝福する奄美市・向美芳教育長(左)。中央は安田壮平市長
相撲甚句で祝福する奄美市・向美芳教育長(左)。中央は安田壮平市長

大相撲春場所は3月8日から大阪市のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で開かれる。場所中の3月20日は「平成の大合併」で奄美市が誕生して20年の節目を迎える。この記念すべき年に関取としての一歩を踏み出す藤天晴の「あっぱれ」な土俵に期待したい。

新十両・藤天晴関に一問一答!

『あっぱれと言ってもらえる相撲を』決意を語る藤天晴
『あっぱれと言ってもらえる相撲を』決意を語る藤天晴

Q:初めての奄美帰省はどんな心境?

帰ってきた時から安心感というか、地元に帰ってきたという懐かしい思いがいっぱいあります。

Q:市役所前に掲げられた「祝十両昇進・藤天晴関」という懸垂幕をみた感想は?

奄美市をあげて応援してくださって、感謝の気持ちしかありません。

Q:初土俵から1年で新十両。昇進した時の気持ちは?

素直にうれしかったが、自分の力だけでなく、師匠はじめ親方衆だったり、兄弟子、いつも支えてくれる家族、いつも応援してくださる皆さんのおかげでここまで来たと思っているので、支えて下さる皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

Q:「藤天晴」というしこ名にはどんな意味が込められていると師匠は言っていた?

師匠に「晴れ渡る空のように大きく、自分の相撲を見てくださった方に『あっぱれ(天晴れ)』と言われるような相撲を取りなさい」と言われて、自分のイメージに合った良いしこ名をつけてくださったと思います。

Q:「藤天晴」というしこ名はいつ聞かされた?

番付が発表される2日ほど前。しこ名の意味と「これで良いか?」と聞かれ、本当にうれしかったですね!しこ名がついて、やっと大相撲の一員になれたと思いました。

Q:入門以来初の帰省が十両昇進の報告。これについてはどう思う?

一番良い形で初めての帰省ができて本当にうれしいし、いろんな人に会うたびに「おめでとう」「これからもずっと応援しているよ」と言ってもらえて、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

Q:地元の人にどんなメッセージを伝えたい?

奄美大島に育てられ皆さんに支えられて相撲を続けられているので、まだまだ足りないですが少しずつ自分が勝って、上に上がっていくことで恩返しができたらと思っています。

Q:目指す力士像は?

自分の憧れは師匠である武双山関(元大関 現・藤島親方)。絶対逃げない真っ向勝負で、自分の相撲を見て下さった方に勇気、感動を与えられるような力士になりたいと思う。

Q:十両に昇進し、関取として臨む春場所の意気込みは?

15日間しっかり戦い抜き、1番でも多く勝って皆さんに恩返しできるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします!

Q:それを自分のしこ名にかけて・・・

(ちょっと考えてから)晴れ渡る空のように大きく皆さんを明るく照らせるよう、あっぱれと言ってもらえるよう頑張ります。これからもよろしくお願いします!

鹿児島テレビ
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