プレスリリース配信元:メンバーズ
国が成長戦略に掲げる循環経済モデルへの変革の実態について、取り組み状況、障壁要因、ビジネス変革への姿勢など、現状と展望を調査
DX現場支援で顧客と共に社会変革をリードする株式会社メンバーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野 明彦、東証プライム:2130、以下「メンバーズ」)は、日本企業のサーキュラーエコノミー(CE)への取り組み実態に関する調査結果を実施しました。
2025年12月10日(水)には、本調査結果を解説する企業向けセミナー「独自調査が示すサーキュラーエコノミー推進を阻む「4つの障壁」とは?」を開催予定です(申し込みURL:https://www.members.co.jp/seminar/20251210_cdx_ce-survey)。
※【日本企業のサーキュラーエコノミー実態調査2025】レポートダウンロードはこちら
URL:https://www.members.co.jp/download/163-ce-survey

サマリー
1.サーキュラーエコノミーの取り組み状況は「積極的もしくは一部で取り組み」は13.4%に留まり、「未着手」「不明」を合わせると81.7%。多くの日本企業で推進が進んでいない実態が明らかとなった
2.取り組みの上位は、「省資源・省エネ・廃棄物発生の抑制(29.1%)」。一方、ビジネスモデルの変革を伴うビジネスモデルのサービス化(PaaS化など)は「取り入れる予定がない(7.8%)」が1位と消極的。取り組みが限定的である傾向が判明(※1)
3.サーキュラーエコノミー推進の障害要因は、「専門人材の不足(24.5%)」が最多。次いで、「法規制等の未整備・政府支援策の不足(21.4%)」、「技術の未熟さやコストの高さ(20.9%)」「サプライチェーン全体での情報連携・データ共有の難しさ(19.9%)」が続いた。人材不足に続く他の障壁も同水準にあり、推進にあたって複数の課題に直面していることがうかがえる
4.サーキュラーエコノミーの取り組み状況別にLCA(ライフサイクルアセスメント)算定時の課題をみると、情報収集・導入検討段階では「コストや算定方法の決定(52.6%)」など、社内の課題が中心。取り組みが進むと「専門人材不足(48.6%)」や「社外連携の難しさ(28.9%)」といった課題が顕在化(※2)
5.欧州で進むDPP(デジタル製品パスポート)への対応準備が進む企業は、15.5%に留まり、情報収集や動向注視の企業が7割近い結果となった。また、海外売上比率10%を超える企業は「対応を前提に準備を進めている」の割合が高くなる傾向が見られ、海外取引との関連性がうかがえる結果となった(※3)
調査結果からの提言
気候変動、資源の枯渇、生物多様性の損失など、私たちは今、地球規模の課題に直面しています。大量生産・大量消費・大量廃棄を前提としたリニア型経済モデルは限界を迎え、自然の再生と経済成長を両立させる新たな経済システムであるサーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行が急務です。日本政府も、2024年6月にサーキュラーエコノミーの実現を国家の成長戦略の柱として明確に打ち出しています(※4)。
今回の調査では、サーキュラーエコノミーの取り組みが進む日本企業はわずか1割という実態が明らかになりました。またサーキュラーエコノミー推進の障壁は、「人材」「コスト」「ルール」「データ連携」と多岐にわたっています。サーキュラーエコノミーを単なるコストではなく新たな競争優位の源泉とするには、これらの課題を乗り越え、プロフィットへ転換することが必須です。さらに取り組みが進む先進企業では、「サプライチェーン上の取引先からのデータ収集が困難(28.9%)」という課題が顕著です。コストからプロフィットへの転換を実現するには、DXを駆使したデータ活用と専門人材の育成が鍵となります。
世界がサーキュラーエコノミーへと舵を切る今、本調査が、変革期の経営戦略を築くための具体的なヒントとなれば幸いです。
企業向けセミナーについて
- 日時:2025年12月10日(水)12:30~13:30
- タイトル:独自調査が示すサーキュラーエコノミー推進を阻む「4つの障壁」とは?
- 開催方法:オンライン開催(Zoomウェビナー)
- 参加費:無料
- 定員:500名
- 主催:株式会社メンバーズ
- 申し込みURL:https://www.members.co.jp/seminar/20251210_cdx_ce-survey
結果詳細
1.サーキュラーエコノミーの取り組み状況
- 「全社的に積極的に取り組んでいる(6.2%)」「一部の部署や、製品・サービス単位で取り組んでいる(7.2%)」を合わせると13.4%にとどまる。また、「特に取り組んでおらず、具体的な検討もしていない(36.4%)」と「わからない(45.3%)」の合計が81.7%。多くの企業で取り組みが進んでいない実態が明らかになった

2.サーキュラーエコノミーの取り組み内容
- 取り組みの1位は「資源の効率利用と投入量削減:省資源・省エネ、廃棄物発生の抑制(29.1%)」。続いて、「リサイクルしやすい製品設計(28.9%)」となった
- 一方で「取り入れる予定はない」で最も高かったのは、「ビジネスモデルのサービス化:PaaSやシェアリング、サブスクリプションなど(7.8%)」
- 取り組み内容は環境負荷低減に留まる傾向があり、ビジネスモデルの変革に踏み込むことへのハードルが高いことが推察される

3.サーキュラーエコノミー推進の障害要因
- 障壁要因は以下の順となった
- - 1位「専門知識やノウハウを持つ人材の不足(24.5%)」
- - 2位「法規制や標準化の未整備、政府支援策の不足(21.4%)」
- - 3位「技術の未成熟さや技術導入コストの高さ(20.9%)」
- - 4位「サプライチェーン全体での情報連携・データ共有の難しさ(19.9%)」
- ヒト(人材)・ルール(法規制)・カネ(コスト)・連携(サプライチェーン)といった、多岐にわたる課題が同水準で上位に挙げられる結果となった

4.取り組み状況別の課題
- サーキュラーエコノミーの取り組み段階別に、製品のライフサイクル全体を通して環境負荷を計測するLCA算定時の課題をみたところ、企業の取り組み段階によって、直面する課題に傾向の違いがみられた
- 「情報収集層(現在は情報収集や導入検討の段階)」では、「算定ツールやデータベースの導入・運用コストが負担(52.6%)」や「算定範囲や評価方法の決定が難しい(41.0%)」が上位となり、導入初期の進め方や費用に関する課題が中心
- 「先進企業層(全社的に積極的に取り組んでいる)」では、「専門知識を持つ人材が社内に不足(48.6%)」、「算定ツールやデータベースの導入・運用コストが負担(44.4%)」が1・2位。続いては「サプライチェーン上の取引先からのデータ収集が困難(28.9%)」となり、これは他の層と比べて高い傾向になっている
- 取り組み初期段階では進め方などの「社内の壁」に直面し、取り組みが進むほど、取引先からデータが集まらないといった「社外・連携の障壁」が大きくなることがうかがえる

5.DPP(デジタル製品パスポート)対応状況
- 「対応を前提に準備を進めている」は15.5%にとどまる。一方、「情報収集や今後の対応を検討している(39.6%)」と「関連動向を注視している段階(25.7%)」を合わせると約7割となり、多くの企業が動向に関心を寄せつつも、具体的な対応はこれからの段階にあることがうかがえる
- 海外売上比率10%未満の企業に比べ、海外売上比率10%超の企業は「対応を前提に準備を進めている」の割合が高くなる傾向が見られた。一定の海外取引がある企業ほど、対応に積極的であることが示唆される


※1:製品のサービス化(PaaS:Product as a Service)は、製品を販売するのではなく、製品の利用や提供する機能に対して課金し、製品をサービスとして提供するビジネスモデル。
※2:LCA(ライフサイクルアセスメント)は、製品・サービスの原料調達から、生産、流通、使用、廃棄まで一連のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量などの環境負荷を評価するための手法。
※3:デジタル製品パスポート(DPP:Digital Product Passport)は、EUの政策で推進されている、製品のライフサイクル全体(原材料、製造、修理、リサイクルまで)の持続可能性に関する情報を記録したデジタル証明。
※4:日本では、2024年6月に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2024.pdf)」が閣議決定。循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行が国家戦略の一つとして明記された。
調査概要
- 調査対象:全国の企業に勤務するビジネスパーソン(サーキュラーエコノミーに取り組む、または検討している企業担当者)
- 有効回答数:412件(6,582名を対象にスクリーニング調査実施)
- 調査期間:2025年10月7日(火)~2025年10月9日(木)
- 調査方法:インターネット調査
- 調査構成:
- - 調査実施概要
- - エグゼクティブサマリー
- - 監修者所見
- - 第1章:サーキュラーエコノミーの取り組み現状
- - 第2章:サーキュラーエコノミーや脱炭素への取り組みの全体像
- - 第3章:デジタルプロダクトパスポート(DPP)対応
- - 総括
- - Appendix:回答者属性
- 問い合わせ先:cdx@members.co.jp
- レポート詳細URL:https://www.members.co.jp/download/163-ce-survey
メンバーズのサーキュラーエコノミー関連事業
メンバーズでは取引先企業と共に、気候変動問題をはじめとした社会課題をビジネスで解決することを目指しています。企業によるサーキュラーエコノミーへの移行と、その後のビジネス成果創出の支援へ向け、2025年10月に専門組織「サーキュラーDXカンパニー」(https://ddx.members.co.jp/cdx)を設立し、「サーキュラーDXサービス」を提供しています。
サーキュラーDXサービス
「デザイン(設計)」、「サーキュレート(循環)」、「バリュー(価値化)」のプロセスを軸に、企業によるサーキュラーエコノミーへの移行から、その後のビジネス成果創出までを一貫して支援。デジタルスキルやGXリテラシーを兼ね備えたプロフェッショナル人材が伴走支援し、企業における環境負荷の低減と持続的なビジネス成長を実現します。
URL:https://www.members.co.jp/services/ddx/circular-economy
メンバーズについて
メンバーズは、デジタル人材の伴走による企業へのDX現場支援事業を展開しています。AI、サービスデザイン・UX、プロジェクトマネジメント、プロダクト・システム開発、データ活用、マーケティング、SaaS活用、脱炭素DXといった事業領域において、高い専門スキルを持つデジタル人材が、取引先企業のチームの一員として、上位戦略を理解し実行工程に落としながら、内製型のDX推進を伴走支援することが特徴です。デジタル人材は、「あたかも社員」としてバリューを発揮し、取引先企業の組織の一員として成果向上を実現させます。
また、メンバーズではグループミッション「“MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る」とVISION2030(2030年の目指す姿)「日本中のクリエイターの力で、気候変動・人口減少を中心とした社会課題解決へ貢献し、持続可能社会への変革をリードする」を掲げ、CSV(Creating Shared Value、共通価値創造)経営を実践しています。取引先企業へのCSV経営推進支援や、メンバーズ自身の率先したさまざまな取り組みを通じて、企業活動による社会課題の解決を目指しています。1995年設立。2025年6月に設立30周年。東証プライム上場。
- 社名:株式会社メンバーズ
- 所在地:東京都中央区晴海1丁目8番10号 晴海アイランドトリトンスクエアオフィスタワーX 37階(受付35階)
- 代表者:代表取締役社長 高野 明彦
- 資本金:1,059百万円(2025年9月末時点)
- Webサイト:https://www.members.co.jp/
- SNS
- - Facebook:https://www.facebook.com/Memberscorp
- - X(旧Twitter):https://x.com/Members_corp
- - LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/members-co--ltd/
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データ提供 PR TIMES
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