寒河江市にクマ2頭が出没し、市が緊急銃猟で駆除した。また、尾花沢市で70代の女性がクマに襲われ、顔や右手・足を引っかかれたが命に別条はない。
20日午前6時50分ごろ、寒河江市白岩で「箱わなにクマが1頭かかっている」と猟友会から市に連絡があった。
市が確認したところ、箱わなに体長90センチの子グマがかかっていて、近くに体長140センチの親グマが出没したため、緊急銃猟の実施を判断し、午前9時ごろ、2頭のクマを駆除した。
この地区では、10月29日にクマの痕跡が確認されたため、猟友会が30日に箱わなを設置していた。
山形県内で緊急銃猟が実施されたのはこれで7件目。
(リポート)
「昨夜、女性がクマに襲われた現場です。被害にあった女性は柿の木の下にいたところ、柿の実を食べ終わったと思われるクマが下に下りてきて、襲われたということです」
19日午後5時20分ごろ、尾花沢市北郷で「妻がクマに襲われた」と家族から110番通報があった。
70代の女性はクマに顔と右の手足を引っかかれたほか、足にはかまれた痕もあった。
女性は病院へ運ばれたが意識はあり、全治2週間のけがをしたという。
(家族)
「ガサガサ・パチパチと木を揺する音がして、おばあちゃんも『危ない』と警戒していたが、10分くらいで物音がしなくなったので様子を見て外に出てしまった。顔の目のあたりが引っかかれた状態で、口から鼻まで歯がたてられたかんだような感じで血だらけだった」
警察によると、女性は住宅の隣の畑にいる時に何かが落下した音を聞いて、気が付いた時には体長約1メートルのクマに後ろから襲われていたという。
(家族)
「『落ちた音がしたからクマが下りてきたのかな』と言ってた。まさかクマがいるとは思わなかった」
畑のすぐそばには柿の木があり、クマは柿を食べていたとみられている。
猟友会は、女性がクマに襲われた柿の木の下に箱わなを設置し、警戒を続けている。
県内ではこのほか、新庄市や米沢市・川西町などでクマの目撃情報が寄せられている。