山形の冬の味覚「青菜漬け」が、ことしはピンチかもしれない。青菜漬けに欠かせない青菜(せいさい)が、2025年は天候不順で記録的な不作となっているという。

(リポート)
「山形市の産直施設です。例年、今の時期は店頭に多くの青菜が並ぶということですが、きょうは完売となっています。入荷する数が少ないため、今年はすぐに売り切れてしまうということです」

山形市のおおさとひろびろ直売所では、市内を中心に6人の農家が育てた青菜を10月末から販売しているが…。

(おおさとひろびろ直売所・丹野朗光理事)
「例年の3分の1ぐらい。かなり少ない。朝の時点・午前9時の販売開始で10分~20分ですぐなくなる」

2025年は入荷がまったくない日もあり「在庫はあるか」という問い合わせが毎日数10件寄せられているそう。
また、数が少ないため価格も例年の倍近い高値となっている。

(おおさとひろびろ直売所・丹野朗光理事)
「20年ぐらいやっているがこんな状況は初めて。できればみんなに届けたいが、天候にはどうしても勝てない」

この産直では山形市や中山町で作られた青菜が並ぶが、軒並み不作。
その理由は、8月末~9月初めの種をまく時期に雨が多く降ったことにあった。

(青菜農家・半田昭治さん)
「これは芽がでなかった。普通はびっちり芽が出ないといけないが、とびとび」

主要産地の1つ、山形市本沢地区で約40年青菜を育てている半田昭治さん。
半田さんの畑も雨の影響を大きく受け、これまでに経験したことのない不作となっている。

(青菜農家・半田昭治さん)
「9月始めの土砂降りの雨で芽が出なかった。いつもの年より収穫したのは5分の1くらい」

栽培する4アールの畑で2トンの青菜が採れるはずが、2割の量しか採れていない。
生育にもばらつきがあり、まだ葉が小さく収穫できないものもあった。

(青菜農家・半田昭治さん)
「芽がでなくても芽が出そろっても同じ手がかかる。消毒したり追肥したり。悲しい」

半田さんが青菜を出荷している山形市長谷堂の「エーコープもとさわ」では、毎年大人気の青菜漬けの店頭販売の開始が遅れていて、2024年より1週間ほど遅い11月26日から販売する予定だという。

青菜の収穫作業は、重労働で手間もかかるため、高齢の人にはなかなか大変な作業。
そのため年々栽培面積が減っているという。
そうした中で2025年は天候不順も重なり、ダブルパンチ。

青菜漬けは冬に欠かせない伝統の味覚。
生産者のみなさんも何とか残したいということで、「来年以降、生産の仕方を工夫した方がいいのか」と話している人もいた。
ことしはいつも以上に大切に食べたい。

さくらんぼテレビ
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