梅田さんは、保護猫カフェを始めた2013年から「世間的に不人気とされる猫」を積極的に保護してきた経験を持つ。

警戒心が強めの成猫たちはキャットタワーの上のほうに固まっていた
警戒心が強めの成猫たちはキャットタワーの上のほうに固まっていた

当時は、保護団体が受け入れるのは子猫中心で、成猫は今以上に殺処分となりやすかった時代。梅田さんが成猫の保護を始めた際には「子猫だけ保護すべき」と批判もされたそうだが、実際には多くの協力者と譲渡希望者が集まった経験が、シャー猫譲渡会の実現に繋がっているという。

「かつては猫エイズを持つ子も保護されにくい存在でしたが、いまでは受け入れてくれる方が多くいます。シャー猫譲渡会も13年前に開催したら受け入れてもらえなかったと思いますが、今は受け入れてくれる方が多くいます。それは猫に関わるさまざまな人達が、少しずつ世の中を変えてきたからだと感じます」

シャー猫譲渡会のポスターになっているオレガノ。奥の猫ちゃんの甘えっぷりとの対比にも注目
シャー猫譲渡会のポスターになっているオレガノ。奥の猫ちゃんの甘えっぷりとの対比にも注目

「ねこかつ」のシャー猫譲渡会の反響を受け、全国各地の保護猫団体がシャー猫譲渡会を開催する動きも生まれている。そんな傾向に梅田さんは好意的だ。

「われわれの活動は経済活動ではなく、潰し合って独占するものでもないので、同じような譲渡会の開催は大歓迎です。これまで日の目が当たらなかった猫たちの譲渡が増加し、そのぶん保護団体全体が新たな受け入れを進めやすくなることに意義があると考えています」

目標は「保護団体が不要になる社会」

「ねこかつ」は、シニア猫の譲渡会も過去に開催するなど、シャーシャー猫以外にも「これまで譲渡対象として人気になりにくかった猫」に光を当てる活動を継続してきた。その根底には「全ての猫たちにおうちを見つけてあげたい」という梅田さんの強い思いがある。