「救いたいけど救えない」ジレンマ
過酷な状況にいる猫をできるだけ多く保護し、譲渡につなげたい保護猫団体にとって、人馴れしていない猫は“保護のハードルが高い存在”でもあるという。
「保護猫団体の受け入れ余力は限られており、人馴れに時間のかかる猫が増えるとキャパシティがすぐに埋まり、新たな保護が難しくなる…という現実があります。
一方で人馴れしていない猫は、怪我や病気のある猫や、年齢の高い猫と同様、保健所で殺処分の対象になりやすい。そのため保護猫団体は『自分たちでなんとかしたいけれど、これ以上は受け入れられない』という歯がゆさを抱えています」
人を威嚇する猫には、過酷な環境で生きていた野良猫や、多頭飼育崩壊から保護された猫も少なくない。だからこそ救いたい。けれど、救えない…。人馴れしていない猫を、人馴れしていないまま受け入れてもらうシャー猫譲渡会は、そんなジレンマを解決したいという願いが込められているのだ。
“不人気猫”を救ってきた13年
当初はシャー猫譲渡会で「1頭でも譲渡が決まれば良い」と思っていた梅田さん。
しかし第1回は44頭中18頭の譲渡が決まり、入場制限がかかるほどの盛況となった。2回目、3回目と続ける中で「応援してくださる方が多くいることも含めて、想像以上の手応えを感じている」とのこと。
