親の財産を守ること、制度を上手に利用することも、認知症のサポートには必要なテーマといえるでしょう。
【POINT】
・親と自分のために知っておきたい、親のお金を守る方法。
・判断能力がないとみなされると契約ができなくなる。早めに対応を。
・家族だけで介護しようと考えず、介護保険や各種サポートを利用。
親の介護のお金は誰が負担?
Q.介護のお金は誰が負担するの?
A.親の金を使うのが大原則。早めに手続きを
認知症の人の家族へのアンケート調査によると(ニッセイ基礎研究所調査)、「介護にかかる費用を本人が全額負担している」と答えた人は62.8%でした。一方で「家族が一部、または全部を負担している」人は34.4%にのぼります。
親の介護は、親自身の年金や預貯金の範囲で行うことが大原則です。介護保険や自費サービス、施設の入居金も親のお金で払うようにし、その範囲内で選ぶ必要があります。
事前に親からまとまったお金を「預り金」として受けとっておいて、親の介護やサポートのために使う方法もおすすめです。
問題は、認知症になるとさまざまな契約ができなくなることです。定期預金の解約も、株式などの有価証券の売買もできません。「親のお金はあるのに使えない」という事態になると「私が立て替えて、親が亡くなったら遺産で貸してもらえばいい」と考えがちですが、それはちょっと待って。
親の死後に資産が残らないこともありますし、きょうだいが遺産の配分に異議を唱える可能性もあります。
