◆10月末までの被害総額10億円超 件数は10月から爆発的に急増
まさに非常事態、爆発的に急増しています。岡山県内で、息子をかたるオレオレ詐欺が急増していることを受け、岡山県警は、11月11日、特殊詐欺緊急特別警報を発令し、県民に注意を呼びかけています。
岡山県内では10月末までに246件の特殊詐欺が発生していて、被害総額は約10億1600万円に上り、2016年以降、最悪となっています。その半数が息子をかたる男から「税金の滞納があり、金を貸してほしい」などの電話があり、現金をだまし取られるオレオレ詐欺ということです。
2025年に入って、岡山県内で、息子をかたるオレオレ詐欺の認知件数は9月末までは10件でしたが、10月から爆発的に急増し、10月だけで22件発生しています。
◆10月発生の22件は被害者は全員70歳以上の高齢者
被害の急増を受け、警察は、11日、特殊詐欺緊急特別警報を発令しました。22件の被害者全員が70歳以上の高齢者で、犯人からの最初の接触は全て自宅の固定電話ということです。
警察は、防犯機能付き電話の導入や家族で事前に合い言葉を決めておくなど、対策を徹底するよう呼びかけています。
◆記者解説 被害状況を詳しく…詐欺被害防ぐには?
取材した千葉記者とお伝えしていきます。
Q,急増しているオレオレ詐欺ですが、特徴はあるんでしょうか?
(千葉知里 記者)
「10月に発生した22件の特徴がこちらです。被害者全員が70歳以上の高齢者、そのうちの約8割が女性である点、犯人からのファーストコンタクトは全て固定電話という点です。また、息子と思い込ませるため、事前に「同窓会のはがきが届いていないか」など電話をかけてくる手口も確認されています。」
Q,なぜ、10月から急増しているのでしょうか?
「その点については、岡山県警は現在、捜査中としていますが、詐欺グループの活動が活発化していることと、犯罪に関わる人数が昔と比べて圧倒的に増えていることが考えられます。詐欺グループはSNSなどを通じた「闇バイト」で、電話をかける「架け子」、現金の受け取り役を担う「受け子」を容易に募集できるためです。警察も取り締まりを強化し、実行役を検挙していますが、実行役は、短期間だけ雇われることが多く、犯罪グループ全体が流動的なため、全体の解明や指示役の特定にはつながりにくい現状があります。」
Q,オレオレ詐欺を防ぐためにはどうすればいいでしょうか?
「未然に防ぐことが大切です。自宅の固定電話に、防犯機能付き電話を導入すること、留守番電話機能を活用すること、たとえ親族からの電話であったとしてもお金の話が出たら、一度電話を切り元々自分が知っている電話番号に電話して確認すること、事前に、家族しか知らない合い言葉を決めておき、電話で確認することが有効です。とにかく、少しでも怪しいと感じたら、一人で判断せず、警察や周囲に相談してください。」