秋から冬への移り変わりが急だった今年。気候変動の影響を受け、学校生活のルールも柔軟に変わり始めている。広島市西区の崇徳高校では、生徒の“寒さ対策”に関する新聞部の独自アンケートが行われた。

衣替えは「自分の判断」で

「衣替えに変化」と題した新聞記事の円グラフには、大きく「いいと思う」と書かれていた。崇徳高校新聞部が校内の高校生59人に行ったアンケートでは、衣替え時期の指定が廃止されたことについて、ほぼ全員が賛成と回答している。

崇徳高校の生徒59人が回答
崇徳高校の生徒59人が回答
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崇徳高校では2025年度、これまで10月とされていた冬服への衣替え時期の指定を撤廃。気候の変化が読めなくなってきたことから、生徒が気温や体調に合わせて自由に切り替えられるようになった。
この“衣替え自由化”をどう感じているのか。
「これまで当たり前だったルールも、時代に合わせて柔軟に変わってほしい」と語るのは、崇徳高校2年の瀬尾一華さん。新聞部でこのテーマを取材し、生徒から「自分の体感温度で服を選べるのはありがたい」という声を多く聞いたという。

高校生愛用は“定番のカイロ”

続いて瀬尾さんが示したのは「愛用・おすすめの寒さ対策は?」というアンケートの結果。

寒さ対策の上位は「カイロ」「マフラー」などの定番アイテム
寒さ対策の上位は「カイロ」「マフラー」などの定番アイテム

「カイロ」が29%、「発熱・保温インナー」が28%、「手袋・マフラー・ネックウォーマー」が24%と並ぶ。
一方、崇徳高校生59人の回答によると、約3割は「まだ冬服を着ていない」という結果も出た。一気に冷え込んだとはいえ、そこは高校生。若さゆえに「やっと涼しくなった」と感じる人もいるのかもしれない。

「平泳ぎが得意」という崇徳高校2年・新聞部の瀬尾一華さん
「平泳ぎが得意」という崇徳高校2年・新聞部の瀬尾一華さん

瀬尾さん自身は「ネックウォーマーではなくマフラー派」だという。
「自転車通学なので、ポケットにカイロを入れて信号待ちのときに手を温めています」と話す。

筆者の娘が通っていた広島市内の小学校でも、3年前から冬の服装が緩和された。制服の上にジャンパーやハーフコートを着て登下校できるようになり、ズボンやタイツも許可された。
娘が愛用していたのは「ジャージの長ズボン」。制服のスカートよりも温かく、動きやすいという。最近では中学・高校でも女子生徒の制服にスラックスを導入する学校が増えている。防寒だけでなく、動きやすさという機能面でも評価が高い。
ただ、ポケットに入れたカイロが翌朝冷たくなって出てくるとき、親としては少しだけため息が出る。寒さへの備えは万全でも、出し忘れた“カイロ”に冬の朝を感じるのだった。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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