テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「放射冷却」についてお伝えします。

世界中の機関が計算する台風の進路予想

まずは日本のはるか南の海上で発生した台風26号の情報から。進路は西に向かっていて、11日には台湾の南西海上に進んでいる予報となっています。しかし、気になるのはそのあとです。

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画面に映し出されたのは、たくさんの線が様々な方向へ伸びている図。これは「世界各国の気象機関の進路予想モデル」なのだそうです。

古山予報士:
この先、西寄りに進んだ後、大陸に向かうものもあれば、東よりに進路を変えて九州の南に接近するものもあるんですよね。

一つの台風に対して、これだけ多くの進路予想があることに驚かされます。九州に上陸する可能性はほぼない、とのことですが、12日(水)の週の半ば以降、この台風が前線を刺激して雨量がまとまる恐れもあるとのことで、最新情報の確認が大切です。

なぜ晴れた日の朝は冷え込む?答えは「放射冷却」

続いては日々の気温差について。6日の宮崎県内は日中の気温が23度前後まで上がり、えびのでは25度以上の夏日となりました。アナウンサーも「半袖でした、私」と話すほどの陽気でしたが、古山さんは「それだと風邪ひいてしまうかもしれません」と注意を促します。

その理由は、翌7日の朝にかけて冷え込みが強まるから。宮崎市では6日の朝より3度前後低くなり、高千穂町では朝の気温が6度まで下がるとの予想でした。

古山予報士:
「この冷え込みの原因なんですけれども、**放射冷却現象**が原因なんですね」
ここで古山予報士から児玉アナへ、突然のクイズです。

古山予報士:
この放射冷却現象、どんな天気の時に起こりましたっけ?
児玉アナ:
天気がいい日!晴れの天気!
古山予報士:
よかったです!もう半年やっていますので。

きちんと正解を出した児玉アナに、古山さんもにっこりでした。

放射冷却とは、日中に太陽の光で暖められた地面の熱が、夜になると宇宙空間へ逃げていく現象のことです。空に雲があると、雲が布団のような役割をして熱が逃げるのを防いでくれますが、雲ひとつない快晴の夜は、熱がどんどん放出されてしまい、地面近くの空気が冷やされるのです。

つまり、「よく晴れた日の夜から朝にかけては、気温がぐっと下がる」と覚えておくと、服装選びや体調管理に役立ちそうですね。

放射冷却の日は「ジャンジャン洗濯」日和!

そして、この「放射冷却が起こる晴れの日」は、あることをするのに絶好のチャンスだと古山さんは続けます。

古山予報士:
ということで、7日のポイントはこちら!ジャンジャン洗濯してください!

画面に登場した古山予報士のイラストでは、たらいと洗濯板による昔ながらの洗濯の様子でした。「お布団やシーツ、そして夏服のしまい洗いもおすすめとなっています」とのこと。

放射冷却が起こるほどの快晴の日は、空気も乾燥していて洗濯物がよく乾きます。朝の冷え込みは少しつらいですが、見方を変えれば「絶好の洗濯チャンスのサイン」と捉えることができるのですね。

天気予報をなんとなく見るだけでなく、その背景にある気象の仕組みを知ることで、日々の暮らしが少し豊かになるかもしれません。皆さんも、秋晴れの朝に「冷えるな」と感じたら、「放射冷却だな。今日は洗濯物がよく乾きそうだ」と思い出してみてはいかがでしょうか。

(テレビ宮崎)

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