高市首相が就任後初めて拉致被害者の家族会と面会した。家族を前に「日朝首脳会談に臨む覚悟はできている」と語った高市首相。その姿に面会後、家族会は「全幅の信頼を寄せている」と期待感を示している。
高市首相 日朝首脳会談に向け決意「覚悟できている」
就任から2日、高市首相が拉致被害者の家族会と面会し、「横田早紀江さんにおかれましては昨日も少し電話で話をしたが、直接お元気なお顔を拝見できてうれしく思う」と切り出した。
2002年に5人の拉致被害者が帰国して以降、一人の帰国も実現していないことに「申し訳ない」と頭を下げた高市首相。
そして、「何としても突破口を開くべく取り組んでまいろうと思っている。もちろん金正恩委員長との首脳会談に臨む覚悟もできている」と、日朝首脳会談に向けた決意を“覚悟ができている”と表現した。
「全幅の信頼寄せている」被害者家族から期待の声
面会を終え、拉致被害者家族会の橫田拓也代表は「結論から申し上げると、全幅の信頼を寄せているし、大きな期待を持っている。首相と私たちの苦しみや心の方向性はまさに同じ方向を向いている。さらにベクトルが強まっていくことを期待している」と期待感を示した。
横田めぐみさんの母・早紀江さんは「きっと、ご自分なりに今までこれではダメだったのだなと分かっていらっしゃるので、何か考えて動いてくださると期待している」と話した。
被害者家族との面会は「北朝鮮と向き合う原動力に」
前任の石破首相は東京と平壌に連絡事務所を開設することを持論としていたが、家族会は「北朝鮮の時間稼ぎに荷担することになる」と反発。石破政権は突破口を見いだすことはできなかった。

高市首相は「本日は拉致問題の解決に向けた私の強い決意を皆様にお伝えすることとともに、首相として今後北朝鮮と向き合う、その原動力とするためにもこのような機会を設けさせていただいた」と力強く述べた。
横田早紀江さんは来年90歳に「母の思い持って解決を」
来年2月で90歳となる横田早紀江さんは「高市首相には、色んな形で知恵を働かせていただいて、何とか祖国の日本の土を元気な間に踏んで家族と再会できるように、ぜひ、高市さんに母の思いを持って解決していただきたいと願っている。どうか、よろしくお願いします」と声を振り絞った。

家族会発足後、14人目の総理大臣となった高市首相。
これ以上の時間的な猶予がない中、大きな期待を背負う首相に求められるのは“家族の再会”という結果のみだ。
