2023年、長野県佐久市で男性を車ではね、山の中に遺棄して殺害した罪に問われている男の裁判。10月22日は、司法解剖をした医師の証人尋問が行われ、「早い段階で病院に搬送すれば凍死することはなかった」などと述べた。

争点は「殺人罪が成立するか」

殺人とひき逃げなどの罪に問われている佐久市の佐藤英伸被告34歳。

起訴状などによると、2023年12月、佐久市の県道で近くに住む男性(当時85歳)を運転していた車ではね、その後、男性を車に乗せて約30キロ離れた長和町の山林に遺棄して、多発性外傷と低体温症により死亡させ、殺害したとされている。

男性が遺棄されたとされる山林
男性が遺棄されたとされる山林
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裁判は「殺人罪が成立するか」が争点で、検察側は、「遺棄するまで男性が生存していて、救命の可能性があることを未必的に認識していた」として、殺意があったと主張している。

一方、弁護側は、「男性はもう助からないと思っていて、死んでも構わないと思っていたわけではない」などとして「殺人罪は問えない」と主張している。

初公判で佐藤被告は殺意を否認した。

初公判
初公判

「早い段階で病院に搬送していれば」

10月22日は、死亡した男性の司法解剖を行った医師の証人尋問が行われ、「即死に至る外傷はなく、少なくとも事故後20時間は生存していた」と証言した。

また、「早い段階で病院に搬送していれば凍死することはなかった」などと述べた。

裁判は10月23日結審し、10月30日に判決が言い渡される予定。

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長野放送
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