2023年、長野県佐久市の県道で男性を車ではね、山の中に遺棄して殺害したとして、殺人などの罪で起訴された男の裁判員裁判が、10月20日から始まる。「殺人罪が成立するか」が争点になる見通しだ。

殺人とひき逃げなどの罪で起訴

殺人とひき逃げなどの罪で起訴されているのは、佐久市の会社員・佐藤英伸被告34歳。

起訴状などによると、2023年12月、佐久市の県道で近くに住む男性(当時85歳)を運転していた車ではね、その後、男性を車に乗せて約30キロ離れた長和町の山林に遺棄して殺害したとされている。

事故現場(佐久市 2023年3月)
事故現場(佐久市 2023年3月)
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警察は、保護責任者遺棄の疑いで逮捕したが、検察はその後の捜査で、男性が生きていることを認識しながら、事故を隠蔽するには死亡しても構わないとする、いわゆる「未必の故意」があったと判断し、殺人の罪で起訴していた。

「殺人罪の成否」が争点

裁判員裁判は、10月20日に初公判を迎える。

長野地方裁判所は10月17日、争点について「殺人罪の成否」と発表した。

男性が遺棄された山林(長和町 2023年12月)
男性が遺棄された山林(長和町 2023年12月)

「未必の故意があった」とする検察側の主張に対し、弁護側は「未必の故意はなく、殺人罪は成立しない」と主張する見通しだ。

判決は10月30日に言い渡される予定。

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長野放送
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