「見て・感じて・楽しむ」アートが地域をつなぐ
芸術の秋、愛媛県内では18日から新たなアートイベントが幕を開けた。
「アートベンチャーエヒメフェス2025」は、少子高齢化や人口減少が進む中、県と東京藝術大学が連携し、アートを通して人と地域をつなぐ新しい試みだ。

アートベンチャーエヒメフェス2025
10月18日からはじまった「アートベンチャーエヒメフェス2025」。
少子高齢化や人口減少が進む中、県と東京藝術大学が連携し「アート」を通して、人と地域をつなごうという新たな試みだ。
アートベンチャーではえひめこどもの城や、とべ動物園などがある「とべもり+」エリアなど、県内4つのエリアを舞台に、国の内外の24組のアーティストが制作した作品の展示や、パフォーマンスの披露などが行われる。

岩を使った体験型のプロジェクトの1つ
まずはえひめこどもの城の中で開催されるアートをご紹介。
内木敦也キャスター:
「こちらにある作品はどれなんですか?」
アグネス吉井・白井愛咲さん:
「実はこちらの岩をご覧いただきたいんですけど、岩を使った体験型のプロジェクトの1つです」
神奈川県を拠点に活動するダンスユニット「アグネス吉井」による、「こどもごころでからだあそび」。実は園内にある「岩」が作品の一部で、座ってみることで完成する体験型のアートだ。

座り心地は人によってすごく色々
白井愛咲さん:
「座り心地をあちこちで比べてみてほしいんですね」
そこで私も試しに座ってみた。
内木敦也キャスター:
「結構傾斜がありますね」
今度は平たい岩に座ってみると?
白井愛咲さん:
「ちょうど足がはまるようなところにあっていいですね」
内木敦也キャスター:
「足の長さにジャストフィットしてる」
白井愛咲さん:
「座り心地がどこがいいかというのは人によってすごく色々なので、ご自身の身体に合ったところを見つけられたのかなと思います」
内木敦也キャスター:
「こうやって感じて、楽しむということなんですね」

少し怪しげな黒い物体?
続いて見つけたのは少し怪しげな黒い物体。
福岡を拠点に活動する坂井存+TIARによる、その名も「あなたの重い荷物はなんですか?」
坂井存さん:
「重い荷物という作品で“人生の重い荷物”を、ここにあるように担いで歩くという肉体労働的な作品」

黒いゴムチューブには「人生の重さが詰まっている」という作品
黒いゴムチューブには「人生の重さが詰まっている」というこの作品。
その重さは?
内木キャスター:
「ずっしりきました。重たい重たい。色々背負っているということなんですかね。人生のあれやこれや。不思議と背負うことで自分自身と対話している?そんなエネルギーが生まれているようで」
坂井存さん:
「そういう風に言っていただける人は意外と多い。作者としてはびっくりする。こっちが学ぶところがあったりする」

県総合運動公園のアートは?
内木キャスター:
「少し移動してきて県総合運動公園です。木々が生い茂る森なんですが鏡でしょうか。泉のような空間が現れました」
こちらは大阪・関西万博のパビリオンも手掛けた、落合陽一さんのチームによる「色2池:空を溶かす、1500年の眠りの鏡」。
県総合運動公園の敷地に点在する、「古墳」にちなんだ作品なんだそう。
笹村白石建築設計事務所・白石洋子さん:
「古墳で昔銅鏡とかが出たと思うんですけど、その『銅鏡』をモチーフに、1500年後の鏡とは、こういうものなんじゃないかというのを私たちで考え設置した」

アートと古墳自体も知ってもらいたい
こちらの作品は上を歩く体験もできるということで…
内木敦也キャスター:
「不思議な感じ。乗ると水の波紋のように広がるんですね。森に吸い込まれていくような不思議な感覚です」
白石洋子さん:
「現代アートとしての作品と、古墳自体も見ていただくことによってアートもそうですし、この場所が古代の森があることもみなさんにぜひ知ってもらいたい。そのきっかけになれば」
今回紹介した作品はごく一部。芸術の秋、見て、感じて、楽しんで、アートベンチャーエヒメフェス2025は11月3日までの17日間開催される。
