富山県立山町で20日朝、80代の女性がごみステーションにごみを出していた際にクマに突き飛ばされて軽傷を負った。富山県内での今秋初めてのクマによる人身被害となった。

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「すごい力だった」女性が語るクマ襲撃の瞬間

女性がクマに襲われたのは20日午前6時半ごろ。立山町三ツ塚新の公民館前にあるごみステーションで起きた。被害に遭った80代女性は「ごみをごみステーションの箱の中に出してふたをしてから襲われた。突き飛ばされた。一瞬何が起こったかわからなかった。すごい力だった」と当時の状況を語った。

女性によると、一輪車に載せたごみをごみ箱に捨てていた最中にクマに飛びかかられたという。「一輪車が倒れる音がしてすごい音がした。その音にびっくりして逃げたのでは。下に転んだ。振り返ったら北の方に逃げていった」と説明した。クマの大きさについては「大きくは見えなかった。想像では中ぐらいかな」と話している。

女性が着ていた衣服にもクマの爪痕が残った
女性が着ていた衣服にもクマの爪痕が残った

女性は肩などに傷を負い、近所の住人に救助されて病院で手当を受けた。ケガの程度は軽いとのことである。

地域での対応と不安

事故現場は常願寺川の河川敷から約200メートルの場所で、警察や立山町が猟友会と共に周辺をパトロールしている。ごみステーション近くの畑にクマと見られる足跡や、近所の家の玄関先でクマの糞が発見されたが、クマの姿は見つかっておらず、防災無線で注意を呼びかけている状況だ。

近所の男性は「やっぱり怖いね。こういうところに出るのか。山から相当離れているから」と不安を口にし、クマ対策については「今のところない。初めてだからクマが来るのは。来たらどうしようもできん」と話した。

近くの小学校では、児童の登下校時に保護者による送迎に変更するなどの対応が取られている。

20日 AIカメラによる画像(富山市提供)
20日 AIカメラによる画像(富山市提供)

同日、富山市でも多くのクマの目撃情報があり、富山市東福沢ではAIカメラが成獣とみられるクマを捉えた。福沢小学校では今週いっぱい保護者が児童の送り迎えする対策が取られている。

富山テレビ
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