長野県中野市の4人殺害事件の裁判で、10月14日に死刑を言い渡された青木政憲被告(34)が、判決後に「控訴したくない」と話していたことが弁護人への取材でわかった。今後、控訴期限ぎりぎりまで話し合いを重ね、被告が「控訴したい」と言わなくても、弁護団として控訴する方針だという。
死刑判決「責任能力あった」
2023年5月、中野市で住民の女性2人と警察官2人が殺害された事件。
殺人の罪などに問われていた青木政憲被告は、10月14日に長野地方裁判所で行われた裁判で死刑を言い渡された。

坂田正史裁判長は、争点となった責任能力について、「妄想症の症状はあったが、善悪を判断し行動をコントロールする能力を特に問題なく保っていた」などとして完全な責任能力があったと認めた。

その上で、「強固な殺意に基づく、残虐極まりない犯行。人の命を軽視してはばからない様子には戦慄を覚えずにはいられない」と指摘。
さらに「刑事責任はあまりにも重大と言わざるを得ず、死刑の選択を回避すべき事情を見いだせない」などと述べた。
被告「控訴したくない」
判決の後、青木被告の弁護士は「心神耗弱という主張をしてきて、なかなかその(医師の)証言についての信用ができないと言われたことは非常に残念。諦めるわけにはいかないので、必ず控訴します」と述べ、控訴する意向を示していた。
その後、青木被告と接見したところ、本人は「控訴したくない」と話していたという。理由は、聞いていないとしている。

今後、控訴期限ぎりぎりまで話し合いを重ね、被告が「控訴したい」と言わなくても、弁護団として控訴する方針だという。
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