能登半島地震を受けて富山県などが開発を進めてきた「富山型耐震シェルター」。
実用化に向けて工事のしやすさなどを確認するため、既存の住宅に設置されたようすが公開されました。
高岡市で16日公開された「富山型耐震シェルター」。
県産スギの無垢材が使われています。
高さ2.2メートル、広さは4.5畳で住宅1階の居間や寝室に後付けする仕組みです。
大地震が発生した際、家の中に安全な空間を確保することが目的で、大がかりな工事を必要とせず、一般的な耐震改修と比べて短期間に安く設置できるのが特徴です。
*県木材研究所 成田英隆所長
「1人暮らしで高齢の方などは少し安心できるものにならないかなと」
能登半島地震では、旧・耐震基準で建てられた木造住宅の倒壊が目立ちました。
県内の耐震化率は全国平均を下回っています。
これを受けて、県木材研究所と東京理科大学が共同開発したのが富山型耐震シェルターです。
しかし今年3月に行われた耐久性をはかる試験では…
天井が抜け落ち失敗に終わりました。
こうした試験段階での失敗からも改良のヒントをしっかりと得て、その4か月後。
天井部分に金属製のパイプを組み合わせた結果…
2階建ての瓦屋根が落ちてきたときの重さ3トンに耐えられる強度のシェルターが完成しました。
そして実際に工事のしやすさなどを確認するため、今回既存の住宅に設置。作業は1週間ほどで完了したということです。
シェルターの本体価格はおよそ120万円で、それ以外に基礎工事費が必要になりますが、今年度から射水市と高岡市では補助制度が設けられています。
この住宅はオープンハウスとして、今月25日から一週間内覧できるようになっています。
*県木材研究所 成田英隆所長
「県内外から相談がきている。実際に良し悪し、完成度などを見てご判断いただければ。このあとできる限り施工事例を増やして、このシェルターの性能の改善、バージョンアップを図って、2号機・3号機も研究していきたい」