クマの出没が増えている札幌市西区では、この1週間で5頭のクマが駆除される異例の事態となっている。
今後出没は減ってくるのだろうか。
札幌市西区で異例の“5頭駆除”
10月4日、札幌市西区の公園近くを3頭で歩く親子グマ。
13日、この親グマが箱わなにかかり駆除された。

このクマを含め札幌市西区の西野地区では9日から14日にかけて、合わせて5頭が箱わなにかかり駆除される異常事態に。

札幌市によると、14日に駆除された親子のクマは、9月26日、西区の公園で男性を襲ったクマとサイズが似ていることから、外部機関にDNA鑑定の依頼をしているという事だ。
札幌市西区では、ヒグマ警報が出された9月26日以降も、市街地での目撃が後をたたない状況が続いている。

「クマが目撃された付近の住宅街には、クマの足跡が残っています」(吉村直人記者)
8日には住宅街や交通量の多い「北一条宮の沢通り」にも出没。

今後クマの出没は少なくなる?
その翌日には山の手の住宅近くで、クマがクリを食べるなど、1時間ほど居座った。
札幌市が箱わなを設置するなど対策を進めていた中で、5頭のクマが駆除されたが、今後、クマの出没は少なくなるのだろうか。

北海道猟友会 札幌支部のヒグマ防除隊 玉木隊長は、今後も注意が必要だという。
「昨年は、今年と違ってドングリが豊作だったので、たくさん生まれた子グマを連れた母グマは、もうどうしても餌が足りなくなれば、冬を越すために、(山から)溢れ出てきたクマたちの数も多い」(ヒグマ防除隊 玉木康雄隊長)
エサとなるドングリが山にほとんどないこの異例の事態は、クマの冬眠にも影響が出る恐れがあるというのだ。

「クマがですね、今年は十分皮下脂肪を蓄えられずに冬眠するってことになると、眠りも浅くなって、途中で起き出してくる。いわゆる『穴持たず』って言われるようなクマになります」(玉木隊長)
異例のクマ出没となっている今年。
引き続き、暗い時間に外を出歩かないなど、注意が必要だ。
