猛暑から一転、涼しくなって旅行や散歩がしたくなる秋。しかし、そんな行楽シーズンだからこそ、1年で空き巣にもっとも注意が必要な季節だといいます。

「サン!シャイン」が取材したのは、9月末に空き巣被害に遭ったという女性。
いつものように帰宅すると、引き出しが開いたままになっているなど、至る所に物色された形跡が残されていたといいます。

空き巣被害に遭った女性:
9月28日の夜に帰宅したら、いつも使わない戸が空いていたりして、おかしいなと思って窓ガラスを見てみたらガラスが割られていて、鍵が開けてあったっていう状況でした。
もうゾッとしましたね。「もしかしたら犯人がまだいるかもしれない」「鉢合わせするかもしれない」と思って怖かったです。
全く知らない人が家の中に入ったっていうのが、すごく気持ち悪くて、今は実家で生活しています。
涼しい風を取り入れる「窓」を狙う
法務省によると、空き巣などの侵入窃盗の認知件数が最も多いのは10月。2021年の月別認知件数では、10月が1720件、次いで多いのが11月の1621件でした。

なぜ秋に空き巣が増えるのか、“防犯のプロ”であるセコムIS研究所の濱田宏彰氏に聞くと、そこには人々の生活習慣につけ込んだ手口が…。

セコムIS研究所 濱田宏彰研究員:
泥棒の侵入手口として一番多いのは、無施錠箇所からの侵入となっておりまして、(今の時期)風を取り入れようと窓を開けている、もしくは玄関等を開けておくなどという、開いているところから入るケースが非常に多いです。
警察庁の調査によると、2024年に発生した侵入窃盗の手口として最も多くみられたのは、「無施錠」。

濱田氏によると、風呂など窓に格子がついている場所でも、ドライバーなどで外して侵入されるケースもあるため、必ず家を留守にするときは、窓や玄関の施錠をしっかり行うことが大切だということです。

さらに、旅行などで家をあける機会が増えることに加えて、日照時間が短くなり部屋の明かりなど「不在なのか否か」を判断しやすいことも、空き巣が増える要因となっているといいます。
空き巣に狙われやすい?意外な落とし穴
空き巣は、どんなところに目を付けて、侵入に至るのか。
撮影などに使う「ハウススタジオ」を使って、セコムIS研究所の濱田氏に、日常に潜む“意外な落とし穴”を教えてもらいました。

まず、濱田氏が指摘したのは「庭の植栽」。
植栽が手入れされていないと敷地内に侵入された場合、周囲の人に目撃されにくくなってしまうといいます。

セコムIS研究所 濱田宏彰研究員:
定期的に剪定していただいて、なるべく泥棒の行動が(外から)見えるような感じを作っていただくのがいい。そうすると泥棒の行動がこの辺の通路、通り道から見えるということになりますので、犯人側からすると非常に(犯行が)やりにくいことになります。

空き巣対策として、「補助錠」をつけることも効果があります。
警察庁が行った調査によると、5分以上侵入に時間がかかる場合、7割が諦めるという結果に。この「補助錠」をつける位置も大切だといいます。

セコムIS研究所 濱田宏彰研究員:
可能であれば、上につけていただくと、泥棒としては面倒くさい。
下ですとしゃがんで(窓を)割ればいいですけれども、上ですともしかしたら(手が)届かないかもしれない。あとは、こうやって手を上げて何か作業しているような風景というのは、通行人からすると「なんだあれは」となりますので。

もうひとつ、空き巣が侵入する家を探す際に必ず注目する場所が、周りから目につきにくい場所にある「お風呂」です。

換気のために、窓を開けたままにしている家が少なくないといい、窓が通りに面していないことも多いので、狙われる可能性が高いといいます。
“見せる防犯”を徹底 補助金制度も
家を守る上で大切なことは、「この家は面倒くさい」と空き巣に思わせること。
そして、こまめな施錠と“見せる防犯”だといいます。

セコムIS研究所 濱田宏彰研究員:
センサーライトつけていますよ、カメラをつけていますよっていうのをアピールして、1個、2個、3個と防犯レベルが高いんですよということ、“見せる防犯”というふうに言いますけれども、そういうものを積み重ねていただくということが大事かなと。

空き巣対策として、窓ガラスに防犯フィルムを貼る、家の周囲に防犯砂利を敷く、最新のものでは、不審者を認識し音と光で警告するAIを搭載した防犯カメラなどもあります。
さらに、こうした防犯グッズは多くの自治体で、補助金制度が設けられています。

▼東京都・品川区
補助金額:上限4万円
補助対象:防犯カメラ、防犯フィルムなど
▼愛知県・小牧市
補助金額:最大1万円/施設
補助対象:防犯ガラスの交換など

補助金を受けるためには、まず商品を購入しご自宅に設置、自治体へ申請して、給付を受けることができます。年度予算に達すると終了してしまうので注意が必要です。
各自治体で補助金額や条件などは異なりますので、まずは、それぞれの自治体のHPなどをチェックしてみてください。
(「サン!シャイン」 10月14日放送)