10月25日から滋賀県で行われる全国障害者スポーツ大会に、岩手県内で唯一の知的障害者のソフトボールチームが出場します。プレーを楽しみながら優勝を目指しています。
笑顔あふれるソフトボールチーム「いわてスマイリーズ」には、軽度や中度の知的障害がある11歳から35歳までの男女25人が所属しています。
一人一人が積極的に声を出す、明るい雰囲気のチームです。
指揮を執るのは羽藤嵩晃監督です。
特別支援学校で教諭を務めるかたわら、社会人の野球チームにも所属し、自身の経験を還元しています。
羽藤嵩晃監督
「みんなでわいわい声かけあいながら、楽しめるチームになってきたと思いますので、今年のチーム本当にいい、仕上がってきたなと思います」
スマイリーズは2012年に発足しました。
翌年から障害者スポーツの大会に出場していて、2023年からは3年連続で北海道・東北地区の代表となり、全国に行くまでの実力をつけました。
最高順位は全国4位です。
チームのエースは中村岬主将(28)、高校1年生の時に加入し2025年で13年目、ひときわ強い思いをもっています。
中村岬主将
「自分にはソフトボールしかないので、ソフトボールで岩手県にいい報告できたらいいなと思っている」
武器は最速91km/hのストレートと、正確なコントロールです。豊富な経験でチームを引っ張ります。
中村岬主将
「相手を抑えられるような、本当にいい真っすぐを投げたい」
加入10年目の小野寺秀友選手(28)は、野球や陸上競技の経験者です。
自慢の俊足でチームを支え、仲間とプレーすることの楽しさを実感しているといいます。
小野寺秀友選手
「小技とかバントとか自分の足を生かす攻撃をしたり、守備の時はセンターで広い範囲を取るために、走り込みしたりしている」
ここ数年で急成長を見せている選手もいます。サードを守る4年目の伊藤充希選手(22)です。
これまでソフトボールの経験はありませんでしたが、家族と一緒に自宅で自主練習を重ねて技を磨いてきました。
伊藤充希選手
「今年こそは優勝したいという気持ちがある。出塁率が高くなっているので、自分がプレーして盛り上がればいい」
10月5日は岩手大学・盛岡大学の合同チームとの練習試合でした。
羽藤監督の的確な指示のもと、パワフルなバッティングが炸裂し、序盤から打線が爆発します。
ホームランが飛び出し、1イニングで6得点をあげる場面もありました。
相手にスキを与えず16対4で快勝、選手たちは自信をつけたようです。
中村岬主将
「(チームの)打力はトップレベルなので、緊張せずに全国で暴れたい」
羽藤嵩晃監督
「ソフトボールに限らず、知的障害者のスポーツがまだまだ世間的に認知度が低いので、しっかり結果を残すという部分と、みんなにいい経験をしてもらいたい。生きがいになってくれたら」
年々、絆を深め力を高めてきたいわてスマイリーズ。
3年連続の出場となる全国大会を目前に、気持ちはひとつです。