伊東市の市議会議員選挙は12日、20議席を30人で争う選挙戦がスタートしました。伊東市を取材する報道機関が合同で行った調査では、選挙のあと市長の不信任に賛同する人が多数を占めていて、今後田久保眞紀市長は失職となる公算が大きくなっています。

村田彬記者
「いま大きな掛け声とともに神輿が市内を回っています。きょうの伊東市は各地で秋祭りが行われる中、田久保市政の是非を問う選挙戦が始まりました」

田久保眞紀市長が議会を解散したことに伴う市議会議員選挙は12日告示され、定数20に対し30人が立候補しました。
内訳は前職18人、新人12人で、7日間にわたる選挙戦がスタートしています。
有権者数は5万7000人余りで、今回の選挙は「田久保市政の継続を認めるかどうか」が最大の争点です。

有権者は…。
男性「誠実に市政に対して向き合ってくれる方が良い」
男性「やっぱり市のために尽くしてくれる方じゃないとダメだと思う。市民の声が届くという所が大事だと思います」

田久保市長の学歴詐称問題に端を発し、4カ月以上続く市政の混乱。田久保市長は9月に議会を解散した際、定例会初日に市長不信任案を提出した「議会の姿勢」を理由としました。

田久保眞紀市長(9月10日)
「大変重要な議会においての審議や採決が、議会初日をもって放棄されてしまったという事実は事実として冷静に受け止め判断し、これを改めて広く市民のみなさまに信を問うべきと考えました」

そして10月12日市議会議員選挙が始まると、自らの支持を表明した新人候補者の応援演説へ向かいます。

田久保眞紀市長
「新しい人材が入って新しいまちをつくっていく。それが必要だと思って今回決断をして議会を解散しました」

今回の選挙で伊東市は約6300万円の費用を見込んでいます。
また急きょ決まった日程とあって、秋祭りや住民のことを考え12日は支援者を集めた出陣式や街頭演説を行わない陣営もありました。

有権者
「我々市民はどうすることもできませんから、新しい市議を決めたなかで新しい伊東を作ってもらうということに邁進してもらいたいと思います」

地方自治法では、新しい議員による初めての議会でふたたび不信任決議案が出された場合「議員3分の2以上の出席」「過半数の賛成」で「市長の失職が確定する」と定められています。

田久保市長にとっては不信任案に反対する議員が7人以上当選することが必要です。

こうした中、伊東市を取材する報道各社の合同調査で候補者の30人は不信任案に賛成が26人、反対が1人、未定が1人、回答なし2人となっています。

田久保市長は失職となる公算が大きくなる中、12日市長は…

田久保眞紀市長
「私への賛否というのをメインにしている方もいますけれど、私は決してそれがメインでないと思っています。不信任決議が出るか出ないだけがメインではないので、政策をしっかりみなさんのものを見させて私も頂きたいし、市民の方にもそこに関心をもって頂きたいと思います」

記者(アンケートの結果などで不信任の決議案が可決される公算が大きくなっていることについて市長はどう思いますか?)

田久保眞紀市長
「まだこれからの議会のことですので。あまりそこはこれからの議員さんがどう考えるかというところは尊重するべきだという風に思っております。その議会の結果としてどのような結果が出ましても、それは結果としてきちんと受け止めたいと思っております」

結果が示された時どうするか? 12日の日中には…

田久保眞紀市長
「私への賛否。これは他のところでまた問われることがあるでしょう。その時には皆さんの信を問います。でも今、まずは市議会を変える。私たちが灯した改革の灯を決して消さない。このことが今一番大事なこと」

12日は報道陣から「演説での発言」「選挙費用の考え」を問う質問も。

田久保眞紀市長
「(議会解散に)ご批判ももちろんありました。余計なお金がかかるんじゃないかという、そういうご批判もありました。でも今回、最終的には何人ですか?30人、たくさんの候補が出てくれました」

報道陣(Qどうしてこれだけお金がかかると市民の声も)

田久保眞紀市長
「選挙は民意を示す民主主義にとって大切な制度ですので、そこに対してお金がもったいないというのは果たしてどうなのかなというところであります。30名出てきていただいて、これからどんな議会が開かれるのかそこに注目して頂きたいとそのように思います」

伊東市の今後を左右する市議会議員選挙は19日に投票が行われ、即日開票されます。

テレビ静岡
テレビ静岡

静岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。