刺し身や天ぷらなど、さまざまな食べ方ができる高級魚のタチウオ。
それが何と、東京湾で釣れて、釣れて、釣れまくっているんです。

10日午前6時半ごろ、神奈川・横浜市の漁港には多くの人が集まっていました。

初めて参加:
(タチウオ釣り)きょう初めてですね。釣れてるっていうのと、前から興味があった。(釣れたら)家でさばいて食べます。(Q. 目標は?)5匹くらい釣れればいいかな。

夫婦で参加:
私は大きいもので、夫は数釣りをしたいと言ってる。10匹くらいは釣りたい。

7時過ぎに漁港を出発した船は、約50分かけて漁場へと向かいます。
そして午前8時、いよいよタチウオ釣りがスタート。

すると、なんと開始から1分ほどで釣れました。

まさに入れ食い状態。
クーラーボックスがタチウオでいっぱいになっています。

釣り船 弁天屋・本田和芳代表:
ほとんど(のお客さん)釣れたんじゃないかな。まだ(開始から)15分たってないけど。東京湾増えていると思うので、今後も釣れると思う。

釣り歴40年の大ベテランは、長さ120cm以上や太さが指5本以上の、通称“ドラゴン”と呼ばれる大物を釣り上げました。

どちらが多く釣れるかを競っていた夫婦の結果は…。

夫婦で参加:
嫁さんです。(妻が)22匹で、僕が18匹とかじゃないですかね。

他の人も、「途中で数えるのが分からなくなってきちゃった。あまりないです、こんな釣れるのは」と話します。

そして…タイムアップ。
この日最も釣れたのは、ドラゴンを釣り上げた男性の53匹でした。

異例ともいえる豊漁に、都内の飲食店では、オーナーが釣った新鮮なタチウオの刺し身や天ぷらを、1人前99円という破格の値段で提供しています。

魚十二ヶ月・増田大輔さん:
鮮度が抜群なので、市場で買うのと訳が違う。朝釣って生きてたものが、夕方にはお客さまの口に入っているという、店としてもお客さまとしても、とてもうれしいこと。一番はお刺身。もしくは塩焼きにしてもふわふわでおいしいですし、天ぷら、味付けの濃いものも比較的合うので万能に使える。

実際に刺し身で食べた記者は、「身がしっかりしていておいしいです。すごい脂がのっている感じがします」と話します。

なぜ、タチウオは東京湾でたくさんとれるようになったのでしょうか。

近畿大学の有路昌彦教授は「黒潮の流れ方ですね。7年9カ月ぶりに黒潮が元の流れになったということで、(東京湾に)やってこれるようになったというのが一つと、もともと暖かい海を好む魚なので、全国的な水温の上昇、これは黒潮とは関わりなく、日本近海の水温があがってきたことに影響を受けて、やってきやすくなったっていうのはある」と推察します。