オランダ出身の男性が長野市戸隠に移住し家族と共に暮らしています。地域の人に助けられながら、いつか、自分が収穫した野菜と、得意な「あるもの」が名物のレストランを開きたいと、夢を膨らませています。
一見クレープのような、薄い生地。これは、オランダの「パンケーキ」です。
客:
「大変おいしい。ピザとパンケーキの中間みたいな感じ」
「しょっぱいところにシロップがかかっていて、ちょうど絶妙な感じでおいしい。甘すぎない感じがちょうどいい。薄いけどもっちり感があってお腹を満たす感じ」
ロニーさん:
「シュガービーツ(てんさい)でできたシュガーシロップ」
作っているのは、オランダ出身のロニーさん(36)です。長野市内のシェアキッチンなどで、「戸隠Dutchガーデン」として不定期で店を出しています。
オランダ出身・ロニーさん:
「数年パンケーキ店でシェフとして働いたことがあって、友だちに作ってあげるとみんな『おいしい』と言ってくれるのでパンケーキ店を始めた。(食べた人に)めっちゃおいしい、もちもち(と言われる)。日本人はもちもち食感が好きだよね」
ロニーさんの自宅は長野市戸隠。北海道出身の妻と2人の子どもの4人暮らしです。平日の日中は妻(35)が仕事に出ていることが多く、1歳半の長女の育児や家事はロニーさんが担っています。
ロニーさん:
「たまにダイコン食べない」
ロニーさんの自宅は長野市戸隠。北海道出身の妻と2人の子どもの4人暮らしです。平日と日中は妻が仕事に出ていることが多く、1歳半の長女の育児や家事はロニーさんが担っています。
ロニーさん:
「いつもこんな感じで、きょうは静かだけど、たまにとっても大変」
5年前、旅先のチェコで、同じく旅行中の妻と知り合い、その後、ドイツで一緒に暮らしていましたが、長男の出産を機に日本に来ました。子育てしやすい環境を求めて日本国内を転々とした後、飯綱町へ。住んでみて信州の環境が気に入り、2024年5月、山を望むここ戸隠に家を買いました。
ロニーさん:
「ハイキングが大好き、マウンテンバイクが大好き、スキーが大好き、オランダはできない」
ロニーさん:
「ビッグ、いいサイズ、このサイズはおいしい、焼き芋に」
普段は自宅近くの畑で野菜作り。畑は、近所のご夫婦が貸してくれました。
畑を貸した男性(93):
「今年の春、ジャガイモを作ったのがきっかけ。それが俺と彼の付き合いの始まり。最初はなにか物珍しい感じだったけど、しばらくするうちに(外国人という)そういう違和感は全然ない。いい後輩だと思っている。話はうまく通じないけど手つき手まねで」
ロニーさん:
「(農業の先生?)そう、農業の先生」
地域の人に助けられながらの野菜作り。この日はサツマイモを収穫しました。この夏の猛暑や少雨で、野菜を育てるのは苦労したそうです。
ロニーさん:
「ジャガイモは大丈夫、サツマイモは大丈夫、ポップコーン用トウモロコシは難しい。水がなくて乾燥してしまって難しかった。たくさんビーツを植えたけどたった5つしか収穫できなかった」
畑を貸した女性(87):
「枝豆、お湯を沸かして、これをもいで入れると食べられるから」
畑を貸している女性が枝豆をおすそ分け。
ロニーさん:
「ありがとうございます、いただきます」
畑を貸した女性(87):
「ロニーさんたちご夫婦が来て張り合いがある。言葉は通じないけど、いろいろ勉強して日本語を上手に使っている。にぎやかでお子さんも2人連れてきて、私たちも元気が出ますよ」
ロニーさん自慢のオランダ・パンケーキ。ベーコンやチーズが入った生地に、オランダ直輸入のシロップをかけたものや、飯綱町産のリンゴが入りアイスクリームが乗った甘いもの。
ドイツのパンケーキ店でシェフをした経験を生かして、本場の味を提供しています。
ロニーさん:
「(ドイツ)のレストランで働いていたときはパンケーキに80以上のフレーバーがあった。1日に350枚焼いていた。日本のパンケーキをよく知らないけど、なんだっけ、せんべい?ニラせんべいのようだという人はいる。僕はよく分からないけど」
ロニーさんの夢は、戸隠で暮らしながら、得意のパンケーキと自家製の野菜を提供する自分のレストランを開くことです。
ロニーさん:
「地方エリアはスローペースで生きている人が多くていい。レストランと小さいホテルをやってみたい、パンケーキレストラン。(戸隠に住むことになったのは)戸隠の神様が僕らをここに導いたんじゃないかな」