天皇皇后両陛下は、国際会議出席などのため、10月4日から3日間の日程で京都と大阪を訪問されました。閉幕前の「大阪・関西万博」会場にも足を運び、国連パビリオンや、ロボットと人間の共生をテーマにしたパビリオン「いのちの未来」などを視察されました。

ランの花びらの枚数に「面白いですね」

10月4日、最初に訪問されたのは、2024年に開園から100周年を迎えた京都府立植物園。
両陛下は世界各地からクヌギやコナラなど、どんぐりのなる木およそ20種類を集めた「どんぐりの森」をご覧になり、木の種類などについて尋ねられました。

京都府立植物園「どんぐりの森」をご覧になる天皇皇后両陛下
京都府立植物園「どんぐりの森」をご覧になる天皇皇后両陛下
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また、子どもたちが拾ったどんぐりを動物園のクマに届ける取り組み「どんぐりポスト」について説明を受け、楽しく生態系を学ぶことができる仕組みに感心されていました。

京都府立植物園の「どんぐりポスト」
京都府立植物園の「どんぐりポスト」

続いて、300種のランを育てる温室へ。ランは花びらの枚数が必ず3の倍数になっていると、戸部博園長が実際に数えながら説明すると、陛下は「面白いですね」とうなずかれていました。

温室でランをご覧になる天皇皇后両陛下
温室でランをご覧になる天皇皇后両陛下

翌5日、両陛下は国立京都国際会館で行われた国際会議「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム)」の開会式に臨まれました。

科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム 開会式(京都市)
科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム 開会式(京都市)

80以上の国や地域、国際機関から科学者などが集まったこの会議。今年は「AI=人工知能」を主要テーマに議論が行われました。

開会式に臨まれる天皇皇后両陛下
開会式に臨まれる天皇皇后両陛下

英語で挨拶した陛下は「AI技術は、医療、教育、産業、交通、さらには芸術や文化の領域に至るまで、私たちの社会のあらゆる側面に革新をもたらしつつあります」と述べた一方で、「慎重に検討すべき課題も数多く存在します」と指摘し、人類の将来のため「科学技術を最良の形で活かす方法を模索する努力が続けられること」を望まれました。

桂離宮を散策される天皇皇后両陛下
桂離宮を散策される天皇皇后両陛下

国際会議出席後、両陛下は江戸時代初期に皇族の別荘として建てられた「桂離宮」をご散策。かやぶき屋根の茶室や調和のとれた庭園を見て回り、風情ある景観を楽しまれていました。

「大阪・関西万博」会場内で歓声に応えられる天皇皇后両陛下
「大阪・関西万博」会場内で歓声に応えられる天皇皇后両陛下

滞在最終日の6日、「大阪・関西万博」の会場に足を運ばれた両陛下。国連パビリオンでは、国連80年の歴史と身近な暮らしとの関わりについて説明を受けられました。

国連パビリオンを視察される天皇皇后両陛下
国連パビリオンを視察される天皇皇后両陛下

続いて、ロボット工学の第一人者、大阪大学の石黒浩教授がプロデュースしたパビリオン「いのちの未来」へ。

展示されたアンドロイド
展示されたアンドロイド

人型ロボット=アンドロイドが人間と共存する「50年後の未来」を紹介するエリアで、石黒教授の説明を聞きながら興味深そうにご覧になった両陛下。

石黒浩教授から説明を受けられる天皇皇后両陛下
石黒浩教授から説明を受けられる天皇皇后両陛下

アンドロイドのしなやかな動きや表情に、両陛下は「目が合いました」「人間らしいですね」
などと述べられたということです。
(「皇室ご一家」10月12日放送)

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