かつては“牛乳が飲めない人の代替飲料”というイメージだった豆乳。その豆乳が、いま“第4次豆乳ブーム”を巻き起こしている。なぜ、再び豆乳なのか?

新商品も続々“豆乳ブーム再来”

福岡市内の『三原豆腐店別館』。豆腐店直営らしい趣向を凝らした豆腐料理が楽しめる人気の店だ。

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濃厚な自家製の豆乳に丁寧に引いたカツオ出汁を合わせた『豆乳鍋』が一番人気で、この日も来店客の多くが注文していた。

常連の40代の男性は、「罪悪感がないところがいい。美味しいし、本当に温まる」と豆乳鍋の魅力を語る。

福岡・粕屋町のショッピングモールの食品売り場では、メロンにマンゴー、そして、チョコバナナ味の豆乳など年々、取り扱い量が増え、いまでは約70種類の豆乳飲料がずらりと並ぶ。

コーヒーを豆乳で割る『ソイラテ商品』が続々と登場しているほか、健康志向の高まりから特に、無調整の豆乳が売れているという。売り上げも前の年に比べ1割程伸びていると担当者は語る。

「豆乳でタンパク質を手軽に」                    

実は、40年以上前の1982年頃、“第1次豆乳ブーム”が起き、多くのメーカーから様々な商品が発売された。その数ナント、100種類以上。

第1次豆乳ブーム
第1次豆乳ブーム

「最初は、好きじゃなかったが、飲んでいるうちに飲みやすく感じて、体のためにもいいなと思うようになった」。スーパーの食品売り場には、家族の健康のために豆乳を買い求める主婦たちで賑わっていた。

これまでも健康志向の高まりで様々な食品や商品が人気となってきたが、なぜいま、再び豆乳なのか?国内シェアトップで、豆乳市場を牽引する『キッコーマンソイフーズ』マーケティング推進部の橋本わかなさんは、いまの状況を『第4次豆乳ブーム』と位置付ける。

2025年1月から9月までの豆乳生産量を示したグラフを見ると、生産量は32万6000キロリットル余り。過去最高だった2020年を上回り、年間でも過去最高となる見込みという。

更に、今回の豆乳ブームを巻き起こしている要因は、『タンパク質』だというのだ。橋本さんは、「少し前までは、糖質オフやカロリーを減らしていくという考えが、ダイエットの主流だったが、今は、大豆のタンパク質が注目されている。しっかり食べて運動し、健康的に痩せていく。そういう点で、手軽に飲める豆乳が支持されているのかなと思う」と分析する。

「健康的に瘦せる」タンパク質に脚光
「健康的に瘦せる」タンパク質に脚光

栄養をまるごと摂れる“完全豆乳”

空前の豆乳ブーム再来と言われる現代。自宅で作れる『豆乳メーカー』が注目されている。豆乳を手作りするメリットは、自分好みの味わいを楽しめること。 大豆の種類を変えたり、大豆と一緒にココアや抹茶を加えたりなど、飲みやすい味に調節できる上、市販のモノを買うよりも低コストな点が人気となっている。操作は簡単で、乾燥大豆と水を入れ、スイッチを押せば、30分ほどで豆乳が完成。大豆の搾りカスである『おから』も含めて、大豆の栄養をまるごと摂れる“完全豆乳”を作ることができると話題だ。

安心・安全な材料を自分で選んで、健康的に体を整える。今回の豆乳人気は、ブームを超えて、長く生活に定着しそうだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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