天皇皇后両陛下は、11月8日、「全国豊かな海づくり大会」に出席するため三重県を訪問されました。鳥羽水族館でラッコなどをご覧になった後、絵画・習字コンクールで入賞した小中学生とご懇談。水産高校の生徒と交流されたほか、大会の式典や稚魚の放流にも臨まれました。
両陛下、三重県をご訪問…全国豊かな海づくり大会
天皇皇后両陛下は、11月8日、 「全国豊かな海づくり大会」に出席するため、三重県を訪問されました。駅前には多くの人が集まり、両陛下を歓迎しました。
はじめに訪問されたのは、絶滅危惧種のラッコが国内で唯一飼育されている「鳥羽水族館」。
ガラス面に張り付けたエサのイカを、水面からジャンプして取る様子を見守り、お二人は「目はいいんですか」、「後ろ足でジャンプしているんですか?」などとラッコの生態に関心を寄せられました。
この日の夕方、志摩市のホテルで海づくり大会の絵画・習字コンクールで入賞した小中学生と懇談された両陛下。
海の多様な生き物を描いた小学3年生の児童に、「楽しそうですね。海は好きですか?」とにこやかに声をかけられました。
また、特産の伊勢エビを描いた6年生の児童から、学校の給食にも伊勢エビが提供されると聞くと「どんなお料理で?」と驚いた様子で尋ねられていました。
翌9日、両陛下は「全国豊かな海づくり大会」の式典に出席されました。
陛下はおことばの中で、9歳のときに三重を訪れた思い出に触れられました。
「私が幼少期に三重県を訪れた際に見た海女(あま)の作業の様子や、真珠の加工工程、そして緑に囲まれた青い海を船が行き交う風景は、自然豊かな海で営まれる漁業や、海と共に暮らす人々の日常を感じさせるものでした。」
陛下は「日頃から豊かな海づくりに取り組んでいる皆さんの活動が、今後とも多くの人々によって支えられ、更に発展していくことを希望します」と述べられました。
式典では海の環境保全への願いを込め、両陛下から「アコヤガイ」や「マハタ」の稚魚が漁業関係者に手渡されました。
式典後、南伊勢町の漁港に移動し、地元の水産高校の生徒から実習船について説明を受けられた両陛下。
カツオの一本釣りに使う竿を手に取り、その感触を確かめながら、持ち方や重さなどについて尋ねられました。
翌日から1カ月余りの航海実習に出るという生徒たちに「船での生活を頑張ってください」とエールを送られました。
続いて行われた歓迎行事では、大漁旗を掲げた地元の漁船などの海上パレードに手を振って応えられました。
そして「伊勢エビ」と「マダイ」の稚魚を放流された両陛下。 海の環境が守られ、豊かな海づくりの輪がさらに広がっていくことを願っていらっしゃいました。
(「皇室ご一家」11月16日放送)
