憧れのオレンジコートへの切符をかけて、春の高校バレー山形県代表決定戦が10月11日に開幕する。過去に県の大会で3連覇の実績もある古豪・山形学院女子バレーボール部が、高速コンビバレーで全国を目指す。

春高全国優勝を経験した監督が指導
山形学院高校女子バレーボール部。
1978年のインターハイ県予選で勝利し、そこから3連覇を果たした実績がある。
2024年からチームを指導しているのは、佐藤潤監督。
2023年の春高バレー全国大会で優勝した宮城の強豪・古川学園でコーチを務めた経歴があり、培ってきた経験や幅広い知識で、山形学院を“勝てるチームに”とメソッドを伝えている。

佐藤潤監督:
当たり前のことを当たり前にやり通すということ。
毎日こなす練習が常に進化できるように、同じことの繰り返しでもそのレベルを上げてしっかり取り組む・やり抜くことを1つのテーマにしている。

“高速コンビバレー”の精度が勝負のカギ
山形学院の持ち味は、強化を続ける「高速コンビバレー」。
正確なレシーブからの素早いトス。
そしてさまざまなポジションから繰り出す力強いスパイク。
相手ブロックに的を絞らせないことが最大のねらいで、数的優位を作りスパイクを打ち込めるよう俊敏さを磨いてきた。
平均身長が決して高くはないチームにとって、コンビバレーの精度が勝敗のカギを握る。

チームのエースは3年生の槇心羽(ここは)選手。
佐藤監督が「これまで見た選手の中で一番といっていいほど伸びた」と話すミドルブロッカーで、機動力を生かし、ミドルだけでなくサイドからもスパイクを繰り出し“速攻”のリズムを作る。

ミドルブロッカー165センチ・3年生・槇心羽選手:
私に求められたことをしっかりとバレーノートに書いて、自分ができないことを認めて改善できるように練習に取り組んできた。
エースとしてチームの得点源となって、チームを勝たせられる選手になりたい。

さらに、スタメンに3人の1年生が名を連ねているのもチームの特徴。
セッター鈴木郁選手・ミドルブロッカー藤澤紅選手のほか、アウトサイドヒッター鈴木唯那(ゆいな)選手は中学で全国大会に出場した経験があり、攻守ともに安定した技術でチームを支えている。

アウトサイドヒッター164センチ・1年生・鈴木唯那選手:
コートの中でたくさん会話をして、自分がいいプレーが出せるようにいつもしている。
速いコンビバレーを生かしたテンポでスパイクを打つ。
後衛の時はレシーブをたくさん拾って、前衛の選手にたくさん決めてもらえるように頑張っています。

米沢中央倒し全国のオレンジコートへ
目指すのは“全国のオレンジコート”。
「山形の新しい歴史を作る」という思いがチームを1つにしている。

リベロ155センチ・キャプテン・3年生・川上千苺(ちい)選手:
潤先生が来たことで、私たちの目標は全国大会出場に変わった。
日々の練習でどういう風に取り組まないと全国に行けないのかなど、一人ひとり意識をもって練習に取り組んでいる。

今大会、どのチームも意識する高い壁が、米沢中央。
春高の県予選を5連覇中で、県内の主要3大会では14大会連続で優勝を続けている。
2020年度以降、県内で落としたセットはゼロ。
この“絶対女王”を破らなければ、目標とする全国の舞台に立つことはできない。

槇選手は「3年生にとって最後の春高。米沢中央に勝って決勝に進み、春高の全国大会に出場したい」と。
キャプテン・川上選手は「1回戦からコンビバレーを作り、準々決勝の米沢中央には自分たちの強みの速いコンビバレーを生かして優勝できるように頑張りたい」と意気込みを語ってくれた。

山形学院・女子は、11日の初戦で致道館高校と対戦する。
(さくらんぼテレビ)