2023年に宮城県で発見された遺骨が、東日本大震災で行方不明となった岩手県山田町の女の子のものと判明したニュースの続報です。
女の子の母親が10月9日に岩手めんこいテレビの取材に応じ、「本当におかえり」と娘への思いを語りました。

捺星さんの母・山根千弓さん(49)
「帰ってくるまで、一人で寂しい思いしながら、いたんだろうなと思うと、本当に『おかえり』って感じ」

震災当時6歳だった山田町の山根捺星さんです。
宮城県で見つかった遺骨が捺星さんのものと判明したことが、9日に明らかになりました。

捺星さんの遺骨は、2023年2月に南三陸町にある建設会社が作業中に発見したもので、警察がDNA鑑定などを行った結果、9月に捺星さんの下あごの骨の一部と判明しました。

捺星さんの母・千弓さんは9日に岩手めんこいテレビの電話取材に応じ、心境を語りました。

捺星さんの母・山根千弓さん(49)
「うれしい。見つからないって諦めていたので、まさかの連絡でうれしい気持ち」

捺星さんは震災発生の当日、祖母と2人で自宅に居て、一緒に避難している途中津波に流されました。

祖母は手を離してしまったことを、14年半ずっと悔やんでいたと言います。

捺星さんの母・山根千弓さん(49)
「全然、がれきを片付けても見つからないし、まさか宮城県まで行っているというのも、全然想像がつかなかった。(祖母は)手を離してしまったから、心の中で引っかかるものはずっとあったと思う。(身元の判明を)『よかった、よかった』って泣いていた」

捺星さんは自閉症で、会話が難しいこともあったということですが、千弓さんは娘との思い出は忘れられないと話します。

捺星さんの母・山根千弓さん(49)
「しゃべれなくても『ママ、ママ』とは言えた。呼ばれたりとか、その時かな。色々いっぱいあるけど、楽しそうに笑っている姿を思い出す」

Q:帰って来たら捺星さんに何と声をかけますか
捺星さんの母・山根千弓さん(49)
「『捺星、おかえり』ですよね。本当に頑張ったねっていう感じ」

母の千弓さんは月命日である10月11日に遺骨を引き取る予定でしたが体調を崩したために整い次第、家族で迎えに行くということです。

また、自分たちのような行方不明の家族がいる人たちにも思いを届けてほしいと話していました。

岩手めんこいテレビ
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