先週末、玄海原発周辺の自治体などで、原子力災害を想定した訓練が行われました。初めての外国人住民の参加や原発から約6キロしか離れていない離島の訓練を取材しました。

玄海町や唐津市、伊万里市から2万9382人の住民が参加した今年の原子力防災訓練。県内で発生した地震の影響で、玄海原発の原子炉の冷却水が漏れて全ての電源が喪失、原子炉の炉心を冷却する全ての機能を喪失したという想定で行われました。

【木村】
「今回の訓練では初めて、QRコードを使って避難者の情報を管理するということです」

住民にQRコードを配り、それを避難所の受付で読み込むことで、住所や名前などを記入する手間を省くといった、新しい取り組みも行われました。
また、今回は初めて外国人の住人も参加。

【玄海町在住(ミャンマー人)】
「安心して安全な避難ができるかなと思いました、ミャンマー語で通訳しているパンフレットみたいなのも用意してたので大丈夫と思います」

一方、玄海原発に近い離島では…

【島内放送】
「慌てる必要はありません。落ち着いて向島分校に避難してください」
【原竹】
「人口およそ50人、玄海原発からおよそ6キロしか離れていない向島の住人たちは、放射線防護施設である向島分校に避難しています」

陸路で避難ができない唐津市や玄海町の7つの離島には、気密性を高めるための2重窓や発電装置が備え付けられた放射性防護施設があります。
また、海路での避難ができない場合に備え、2022年に全ての島にヘリポートが整備されました。

【樋口洋二向島区長】
「前回の7年前と比べて大分慣れてきてスムーズに進んだ。原発から一番近かけんですね。事故があったら真っ先にここが被害受けることは考えております。そういうことで事故がないよう祈っております」

県内では82の関係機関に加え、約2万9000人の住民が参加した今回の訓練。新たな取り組みや改善が加えられる一方、知事は訓練終了後にこう述べました。

【佐賀県 山口祥義知事】
「10年前に避難、訓練に参加したよっていう方がおられて、避難していただいた皆さんの意識を多くの皆さんに共有できるような教育も必要だと思うし、私のようにずっとやっている人間だからこそわかる改善点もあるかなと思うので、そういったところの感度を鈍らせないようにこれからも取り組んでいきたい」

佐賀県では、この町の人はこの町に、と避難元と避難先が計画で既に決まっています。詳しくは県内全世帯に配られていて、県のHPでも確認することができるこちらの「原子力防災の手引き」に掲載されています。

自分の町はどこに避難するのか。そして自分の町にどの地域の人が避難してくるのかを市町の防災計画で確認して、実際の避難のときに精神的な負担軽減につなげていくことが大事になってくると思います。

サガテレビ
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