相次ぐクマの出没をうけ、山形市が実証実験を進めている野生動物撃退装置「モンスターウルフ」。設置から1カ月が経ち、その効果はあったのだろうか。
山形市高瀬地区のキャベツ畑に設置されている野生動物撃退装置「モンスターウルフ」。
9月5日、山形市が農作物の鳥獣被害への一手として実証実験をはじめた。
赤外線センサーで野生動物の動きを感知すると、オオカミの鳴き声などの音を駆使し農作物を守る。
実験の開始から約1カ月、市に確認したところ、設置したカメラにはこれまでモンスターウルフを恐れて逃げるクマの様子は映っていなかった。
「効果はないのか?」畑の所有者に話を聞いてみると…。
(キャベツ農家 桜井正子さん)
「モンスターウルフの効果はある。鳴き声が畑全体に響くのでイノシシがキャベツの近くに来なくなった」
桜井さんによると、以前はイノシシに畑を荒らされることが多かったそうだが、モンスターウルフを設置するとピタリと止んだという。
これには桜井さんは大喜びだったが、最近になって…。
(桜井正子さん)
「これがイノシシの足跡」
モンスターウルフから約50メートル離れた畑にイノシシの足跡が確認されたという。
(桜井正子さん)
「設置したばかりのころはここまで来なくなった。最近来るようになった。少し慣れてきたのかな」
それでも30メートル以内では足跡はほとんど確認されず、イノシシへの効果はあったという。
気になるのはクマへの効果。
(桜井正子さん)
「これ、クマの足跡かもしれない」
モンスターウルフから約30メートル離れた隣の畑でクマの足跡が確認されたものの、それより近い場所には足跡がなかったという。
設置してまだ1カ月だが、桜井さんは「クマへの効果」も実感している。
(桜井正子さん)
「足跡がない、ウルフが来る前はあった。全然ないということは効き目がある。もう少し距離が長いといいけど、そこが課題」
市は11月まで実証実験を続け、結果を検証したうえで農家への導入支援を検討するとしている。