若い力が伝統の継承に力を発揮しています。新潟県佐渡市にある能舞台の“かやぶき屋根”の修繕工事を20代の職人が任されました。
佐渡市金井地区安養寺にある羽黒神社。
その境内にある県指定有形文化財の能舞台で8月下旬から行われていたのは、かやぶき屋根の修繕工事です。
全国にある能舞台のうち、3分の1が佐渡にあると言われています。しかし…
【佐渡市観光文化スポーツ部 小林大吾 部長】
「日本の中でもかなり文化財の多い地域だと認識しているが、やはりその維持・管理が一つの課題」
かやの傷みも激しくなってきていて、羽黒神社の能舞台も修繕工事をしなければ、雨漏りなどで屋根が壊れてしまう恐れがあったため修繕を開始。
今回、修繕を担当したのは、20代の若きかやぶき職人・古館雄流さんです。
【かやぶき職人 古館雄流さん】
「地域の人たちが大事に守っているので、とにかくそれに応えてあげるという気持ちでやっている」
コシが強く、良質な佐渡産のかや約200束を使い、慎重に作業していく古館さんは茨城県出身。
古い建築物に興味を持ち、歴史的建造物が多く残る佐渡市の専門学校に進学し、県内でも数少ないかやぶき職人となりました。
ただ、かやを刈り取るためのかや場だけでなく、このかやぶき職人の数も年々減少してきていることから、良質なかやと技術を持つ職人の育成が急務に。
佐渡の伝統的な建物を後世に残すために古館さんは大きな役割を担っています。
【かやぶき職人 古館雄流さん】
「(先人たちに)『つないでくれてありがとう』と思ってもらえたらいい」
佐渡市は今後も能舞台の保存・継承に力を入れていくとしています。